プロローグ
エンカウント・ワン
[3/3]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
。ですが、あなたは一体誰なんですか?」
少なくとも、神とは異なる存在、だそうです。別にあなたをどうこうしようしようというわけではありませんから安心してください。私はどうすればあなたが再び服を創れるようになるかを知っています。ですがあなただけではどうしようもないでしょう。私の言うととおりにしなさい。
「どうすればいいのですか、教えてください。」
藁にもすがる思いで私は彼女に問うた。
まず彼に会うのです。彼はあなたのこと世界で一番良く知っている方だそうです。恐らく彼なくしてあなたは先へは進めないでしょう。事実彼は鍵を持っています。彼はいつまでもあなたを慕ってくれるでしょう。彼をたよりに、先へ進みなさい。そうすればあなたは再び服を創ることが出来るようになるでしょう。
「私には貴方の言っている意味が良く分からないのですが。」
さあ、もうじき夜も明けることでしょう。ではお元気で。さようなら。また、会えるといいですね。
「樋泉さん?何してるの?」
院長さんの声だ。あの人の言った通り、右手の玄関の磨りガラスからは朝の日差しが差し込み微かに埃の舞う廊下を仄かに照らしていた。私の右下には五歳の男の子が私の顔を不思議そうに見つめていた。
「あの、あと五分寝かせて頂けませんか?」
「何を言っているの?もう起きているじゃない。」
私の持つ受話器からは最早等間隔の電子音が流れるばかりであった。
ですが、少なくとも私は、貴方という存在の操り人形ではないでしょうに。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ