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問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
短編 あるお盆の物語 F
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たった。

「見えていた軌道と実際の軌道がずれていますね。」
「まあ、この程度の攻撃であれば問題はないが、さすがに数が来るとつらいものがあるな。」
「ですね・・・念のため、管狐を放っておきましょう。」

前は八体の管狐を放ち、辺りにいる妖怪の殲滅と、自分達に向かってくる攻撃の撃退を命じた。

「すまんな。」
「構いませんよ。それに、あなたの奥義では自らの手で操る必要がありますし、今回はむきません。」

二人は現在、協力する体制をとっている。
さすがに二人は席組み。自分達では協力せずに霊獣に勝てないと自覚しているのだ。

「その代わり、あなたには霊獣の正体を探ってもらいます。知識はあなたのほうが勝っているでしょうし。」
「任された。」

二人はそういって、冷静に自分の役目を執行する。
今のところは死の危険があったわけではないので、特に慌てる必要はないと考えているのだ。

「まず、ここで起こっている現象だが・・・恐らく、蜃気楼だろう。」

蜃気楼。
下層大気の著しい温度差によって空気の密度に差が生じ、それによって発生する光の異常屈折現象。
それによって像の位置が前後左右にずれたり、倒立したり、実在しない像が現れたりする。

豊が前の位置を正確に認識できなかったのも、これが原因だ。

「なるほど・・・それで実際の像と見えている像がずれたのですね。」
「だろうな。となると・・・狙う位置はいくらかずれたところ。」

豊が試しに、目に見えている位置から少しずれたところに触手を放つと、今度は成功して白澤図に蒐集される。

「成功だな。これでザコどもの攻撃を受けずにすむ。」
「助かりますね。それが分からずに大物が出ていたら、対処ができなかったかもしれません。」

そう言いながら、二人の視界に顕現した大物の妖怪を殺す。
それさえ分かってしまえば、妖怪の中で大物、程度は片手間で倒せる。
まあ、ぬらりひょんのような例外はいるが。

「この現象自体、こんな場所で起こることではない。となると、『犬神使い』が言っていた現象とは、このことで良いだろう。」
「であれば、この現象に伴って顕現するか、この現象を引き起こす霊獣、ということですね?」
「ああ。そこまで絞ることができれば、もう答えは出たようなものだ。」

豊はそういって、軽くため息をつく。

「確かに霊獣だが、格は低いほうだな・・・それでも、十分に厄介だが。」
「そうですか。で、その霊獣の名は?」
大蛤(おおはまぐり)の霊獣、シンだ。」
「ああ・・・なら、私に良い手がありますよ?」
「なら、頼んだ。」
「分かりました。管狐!渦巻きなさい!」

前の指示に従い、八匹の管狐が渦を巻き、片っ端から、妖気の宿ったもの、現象を吹き飛ば
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