暁 〜小説投稿サイト〜
問題児たちが異世界から来るそうですよ? 〜無形物を統べるもの〜
短編 あるお盆の物語 F
[2/3]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
たった。
「見えていた軌道と実際の軌道がずれていますね。」
「まあ、この程度の攻撃であれば問題はないが、さすがに数が来るとつらいものがあるな。」
「ですね・・・念のため、管狐を放っておきましょう。」
前は八体の管狐を放ち、辺りにいる妖怪の殲滅と、自分達に向かってくる攻撃の撃退を命じた。
「すまんな。」
「構いませんよ。それに、あなたの奥義では自らの手で操る必要がありますし、今回はむきません。」
二人は現在、協力する体制をとっている。
さすがに二人は席組み。自分達では協力せずに霊獣に勝てないと自覚しているのだ。
「その代わり、あなたには霊獣の正体を探ってもらいます。知識はあなたのほうが勝っているでしょうし。」
「任された。」
二人はそういって、冷静に自分の役目を執行する。
今のところは死の危険があったわけではないので、特に慌てる必要はないと考えているのだ。
「まず、ここで起こっている現象だが・・・恐らく、蜃気楼だろう。」
蜃気楼。
下層大気の著しい温度差によって空気の密度に差が生じ、それによって発生する光の異常屈折現象。
それによって像の位置が前後左右にずれたり、倒立したり、実在しない像が現れたりする。
豊が前の位置を正確に認識できなかったのも、これが原因だ。
「なるほど・・・それで実際の像と見えている像がずれたのですね。」
「だろうな。となると・・・狙う位置はいくらかずれたところ。」
豊が試しに、目に見えている位置から少しずれたところに触手を放つと、今度は成功して白澤図に蒐集される。
「成功だな。これでザコどもの攻撃を受けずにすむ。」
「助かりますね。それが分からずに大物が出ていたら、対処ができなかったかもしれません。」
そう言いながら、二人の視界に顕現した大物の妖怪を殺す。
それさえ分かってしまえば、妖怪の中で大物、程度は片手間で倒せる。
まあ、ぬらりひょんのような例外はいるが。
「この現象自体、こんな場所で起こることではない。となると、『犬神使い』が言っていた現象とは、このことで良いだろう。」
「であれば、この現象に伴って顕現するか、この現象を引き起こす霊獣、ということですね?」
「ああ。そこまで絞ることができれば、もう答えは出たようなものだ。」
豊はそういって、軽くため息をつく。
「確かに霊獣だが、格は低いほうだな・・・それでも、十分に厄介だが。」
「そうですか。で、その霊獣の名は?」
「
大蛤
(
おおはまぐり
)
の霊獣、シンだ。」
「ああ・・・なら、私に良い手がありますよ?」
「なら、頼んだ。」
「分かりました。管狐!渦巻きなさい!」
前の指示に従い、八匹の管狐が渦を巻き、片っ端から、妖気の宿ったもの、現象を吹き飛ば
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ