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問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
短編 あるお盆の物語 E
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「これは・・・確認しなくても分かるな。霊獣クラスが出現してる。」

一輝はかつて白澤と戦ったときのような、強者の出現を感じ取り、三人に聞こえるように言う。

「一輝、それは間違いないのか?」
「間違いないね。一回でもあのクラスのやつと一対一で戦ったことがあるやつなら、近くに出現したことに気付く。」
「それは、私達には分からない感覚だねぇ〜。じゃあ、今回のボスはそいつ?」
「近くにって・・・運が悪い、です・・・」

一輝の感覚の分からない三人は、半信半疑ながらも起こっているとして話を進める。

「まあ、一応連絡をしてからかな・・・おい、光也。」
『これはどうも、寺西さん。どうかしましたか?』

一輝は光也へと電話を繋ぎ、現状を簡単に説明する。

『今回はそちらのあたりに出現しましたか・・・あ、スイマセン。ほかの二部隊からも連絡が入ったので、少々お待ちを。』
「了解。できる限り早くな。」

霊獣が出現したため他の部隊より優先すべきではあるが、現状把握くらいはしておいたほうがいい。
そちらでなにか、もっと重大なことが起こっている可能性もあるのだ。

「とりあえず、霊獣が出現した辺りに向かおう。監視くらいはできるようにしておきたい。」
「「「了解。」」」

一輝は光也が再び電話に出るまでの間、時間を無駄にしないためにも行動を始める。

『あ、寺西さんですか?ちょっと予想外の事態になっていますよ。』
「は?予想外?」

一輝は光也に聞き返す。
霊獣が出現したこと以上の事態が思いつかなかったのだ。

『信じがたい話なのですが・・・夜刀神さん、犬神さんのところでも霊獣が出現。夜刀神さんのところではただの陰陽師が立ち向かおうとしているそうです。』
「そいつら、バカだろ。それか自殺志願者?」

一輝は思ったことをそのまま口にした。
霊獣に立ち向かった自分が言えたことではないが、幼いころから立ち向かうな、と教育されているはずだからだ。

『それが・・・卵に殺せて、自分達に殺せないはずがない。そんなやつが『席組み』にいるべきではない、追い出してやる、と言っているそうです。』
「はあ・・・明日にでも、そいつら俺のところに連れて来い。一度戦って、実力の差を思い知らしてやる。」

まあ、卵はまだ見習い、奥義を習得したものだけが一人前である、と言うのが陰陽師の中の常識。卵にできることは陰陽師にできて当たり前、と思っているものもかなりの数なのだ。

《まあ、席組みに入ったときも、色々面倒だったからな・・・》

一輝はそのときのことを思い出しながら、話を続ける。

「じゃあ、こっちに顕現したやつはこっちで対処したほうが?」
『そうなりますね。一応、顕現したのが何なのか、だけ教えてください。』

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