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問題児たちが異世界から来るそうですよ? 〜無形物を統べるもの〜
短編 あるお盆の物語 C
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だ。
この犬神は誰かから継承したのではなく、生まれつき慈吾朗の体に住んでいたもので、慈吾朗と共に成長していく(最初は子犬程度のサイズからはじまる)。
その体質のため、犬神の一族は生まれたその瞬間から、奥義を習得した陰陽師なのである。
次に、妖怪を消し去り、弱めた力についての説明に移ろう。
まあ、特に難しい理由はない。ただ古来より犬の鳴き声には御払い、お清め、そういった効果があるというだけだ。こんなもの、犬神の犬という属性に付属したおまけみたいなものなのだが、慈吾朗はそれすらも伸ばし、霊獣を消し去れないにしても隙を造ったり弱めたりすることはできるほどだ。そして、その隙に犬神の真骨頂を使い、霊獣殺しに成功した。
「さて、まだまだおるでのう。前に豊、隙は作るからその隙に消してゆけい。吼えよ、ベル。」
「ウォォォォォオオオオオオオオオン!!!」
慈吾朗の命令に従い、ベルは先程よりも大きな声で吼え、より広範囲の妖怪を消滅、ないし弱らせた。
「これでは慈吾朗より大きい成果を上げるのは難しそうですね・・・仕方ない。豊、貴方に奢らせてみせます!」
「まだそんなことを言っているのか・・・これは仕事だぞ。そんなことを」
「あら、逃げるのですか?」
前がそう挑発すると、豊はその口を閉じ、前を睨みつける。
「あら、黙っているということは図星なのでしょうか?」
「・・・・・・どういうことだ?」
前に言われて返す豊の声は、今までよりも低い声だった。
「あら、先程ので分からなかったと?では分かりやすく説明して差し上げます。
貴方は私との勝負に勝てないと思い、恐れ、勝負を引き受けない腰抜け野郎なのですか、と言ったのです。」
「ハハハ・・・いいだろう。その喧嘩買ったあ!」
豊はそう言いながら白澤図に全ての妖怪もどきを戻し、自らに向けると、
「鬼道の奥義を、妖怪の意識を奪うことによってより効率化した俺の奥義!見さらせえ!」
言霊を唱え始める。
「今この書に蒐集されしは数多の異形!ここに宣言する、我は汝らの力を我が物とする!今、我が命に従い、わが身に宿らん!」
唱え終わると白澤図から大量の墨が豊に吹き出され・・・否、豊に入り込み、そのデータを豊に書き込んでいく。
それが終わると、豊の服装は白黒の和服に変わり、さらには豊自身が白黒へと変わる。
これは豊自身が鬼道の奥義の文献を参考にして作り出した新たな粂神の奥義、“取り込み”だ。
これは“憑依”を元とした技だが、他の奥義を元にしたものも、もちろん存在する。
もっとも、神のデータがなければならない“神成り”や一輝が箱庭で作り出した“百鬼武装”などを除けば、ほとんどの奥義が、だ。
「おらあ!妖怪ども、かかって来いやあ!」
切れて妖怪の惨殺を
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