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問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
短編 あるお盆の物語 @
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            也
拳  鈴女 美羽 前  慈吾朗 

といった席順となっている。

「さて・・・今回集まっていただいた理由については、説明する必要がありますか?」
「ないな。毎年のことだ。」
「そうだね〜いつものごとく、お盆のイベント。」
「妖怪の大量発生について、だな?」
「その通りです。今年は、明後日に彼岸の扉が開きます。」

お盆といえば、霊が帰ってくる日としても有名だ。
それゆえ、過去に退治された妖怪の霊が帰ってきて再び顕現したり、妖怪の妖力が高まったりして世界中に大量の妖怪、魔物が発生する。
中には大物もいるため、迷惑極まりないイベントだ。

「あら、結構遅いですわね。」
「去年はいつもよりも強めに封印をかけましたから・・・」
「まあ、多少前後しようと関係あるまい!我々のやることに変わりはないのだからな!!」
「拳殿の言うとおりだな。むしろ、準備期間が長いことを喜ぶべきだ。」
「個人的には、さっさと終わらせてゆっくりしたかったんだけど。」
「これもまた、我ら十人の仕事じゃ。受け入れよ。」

ちなみに、一輝が第三席についたのは一年前、中学三年生のときのことなので、このイベントに参加するのは二回目である。

「で、今年はどの手で行くのだ?去年と同じか?」

この質問は、白夜によるものだ。
一応、第一席がこういったことを聞くという流れになっている。

「あれかー。時間はかかる方法だったけど、楽しかったよね〜」
「確かに、あれだけすっきりとする方法ならば、文句は言いません。まあ、気に入らなければ容赦なく言いますが。」
「だが、あれはやりすぎだ。冷静に考えれば分かることだろう、この戦闘狂どもが。」
「あの・・・去年は豊さんも楽しそうでしたよ?」
「そんな事実はない。訂正しろ、『化け猫交じり』。」
「ひぅ・・・すいませ」
「謝ることはない。去年の豊殿は確かに楽しそうにしていたのだからな。」
「うむ!あのような第五席は見たこともないくらいに楽しんでおった!」

ちなみに、その作戦とは一輝の提案に賛成七、反対二、中立一で決まったもので、とても単純なものだった。

本当に単純で、同時に負けがありえない陣形。
つまり・・・十人が全員共に動き(・・・・・・・・・)目に付いた妖怪を消していく(・・・・・・・・・・・・・)というもの。
ザコの妖怪は何もできずに消え、最後に現れた霊獣、夜刀神でさえ、完全なオーバーキルとなった。

「いえ、さすがにもう一度あれをやろうとは思いません。確かに被害は少なかったですが、」

少なかった理由は、強い力がお互いにぶつかることによって相殺されたからだ。

「何が起こるかとひやひやする羽目になりましたから。あんな心臓に悪い作戦、もう
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