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問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
短編 一輝と湖札の物語 D
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狗『木の葉天狗』
ホラガイが数千年を経て竜となったもの『出世螺』
海蛇の化身とされる説もある『濡女』
スサノオに倒された八首の蛇『ヤマタノオロチ』
人に憑いて首を括らせる妖怪『縊鬼』
人間の髪を密かに切る妖怪『髪切り』
火を食べ、人や動物の血を吸う妖怪『野衾』
牛や馬を殺す妖怪『牛打ち坊』
大晦日に首切れ馬に乗って現れる鬼『夜行さん』
老いたサルがなる妖怪『狒々』
そして、二人が見た絵、茶袋が空中からぶら下がった姿で出現する『茶袋』

以上、七十九の存在を穿ち、青行燈を呼び出した百の物語は完全に破壊された。
残り、一。青行燈。


「オノレ・・・ワガモノガタリガ・・・ワガソンザイガ・・・」
「さて、後はコイツ自体を穿って終わりだな。」
「うん、そろそろこの猿について教えてくれない?」
「そうだな。始めよう。」

青行燈は既に動くこともできない状態なので、一輝も湖札の矢に言霊を乗せる。

「百物語は、青行燈が現れるという流れのほかに、サルが出る、という話がある。ゆえにオマエは、鬼女の姿のほかにサルの姿をとることができ、その力を振るうことができるんだ。」
「そして、貴方は黒く長い髪に角、歯を黒く塗り白い着物を着た、嫉妬に捕らわれた妖怪。」
「「それが、貴方(オマエ)の存在だ!!」」

二人の言霊が乗った矢は、青行燈の胸を貫き、完全にその存在を穿ちきった。
崩れていく体から出た魂は湖札の中に封印される。

「さて、これで青行燈は封印できたわけだけど。」
「まだここの破壊をしないと、終わりとはいえないよね。」
「だな。では、」
「お兄ちゃんよろしく!」

湖札は一輝に丸投げした。

「えー・・・マジ?」
「うん、マジ!もう私は疲れた!」
「・・・まあ、それもそうか。式神展開、“攻”、“封”!この場を破壊し、禍々しき酒を封印せよ!」

その後、一輝は洞窟と絵を完全に破壊しつくし、甕の中にあった酒を封印しきると、湖札を背負って家まで歩くのだった。

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