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問題児たちが異世界から来るそうですよ? 〜無形物を統べるもの〜
短編 一輝と湖札の物語 D
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由が・・・」
「俺が知ってる!だから早く残り九十個を!」
湖札は一瞬迷うような姿を見せるが、兄を信じることにし、言霊をつむぐ。
「貴方を構成する物語、その一角をなす妖怪の中に、共通点がある妖怪がいます。」
「ヤメヨ!ソレイジョウ、ワレヲアバクデナイ!」
「行かせるかよ!」
青行燈は湖札を攻撃しようとするが、一輝は“武”の式神以外にも、使える限り大量の式神を使い、その攻撃を防ぐ。
「愛知県に伝わる甘酒婆。関東地方に伝わる手長婆。奈良県に伝わる白粉婆、砂かけ婆。茨城県に伝わる柳婆。愛媛県に伝わる雪婆。岡山県に伝わる納戸婆。神奈川県に伝わる箕借り婆。静岡県に伝わる夜泣き婆、木綿ひき婆。宮城県に伝わる疱瘡婆。これらの妖怪は、全て老婆をモチーフとした妖怪。」
湖札が弓を引くと、そこには十一本の矢が現れた。
今目の前にはいないが、それでも共通点があることによって、作ることができるのだ。
「甘酒婆、夜中に「甘酒ござらんか」と民家を訪ね歩く妖怪。その返答は肯定、否定のどちらでも答えたものに病気を与えてしまう。ゆえに疫病神としても伝えられている。」
一本の矢に言霊が宿り、青行燈を穿つ。
残り、八十九。
「ジャマヲスルナ、ヒトノコヨ!」
「断固拒否だ!テメエはここで消えうせろ!」
青行燈は様々な力を使い一輝を倒そうとするが、一輝は全ての攻撃を防ぎ、お札の呪力によってその場に縛る。
妹を守るのは、兄の役目である。
「手長婆、これは水中に住み、姿を見せることのない妖怪。ただ水辺で遊んでいる子供の足をつかみ、「水の中に引き込むぞ」と脅かすだけの存在。」
二本目の矢にも言霊が宿り、同様にして青行燈を穿つ。
残り、八十八。
「白粉婆、雪の降る夜に現れ、酒を求め歩く妖怪。顔一面に雑に白粉を塗り、その姿は旅人を恐怖させた。」
矢を穿ち、その存在を抉る。
残り、八十七。
「砂かけ婆、人気のないところを通ると、その人に砂をかけて脅かす妖怪。その姿の記録はなく、姿を持たない、とも言われている。」
さらに穿ち、その存在に穴を開けていく。
残り、八十六。
「ハナセ!ワレハ、キエルワケニハ!」
「ああクソ!湖札!早いとこそれだけでも撃ってくれ!」
「うん、一気にやる。」
湖札は矢を引きなおし、言霊を込めなおす。
「柳婆、樹齢千年以上の柳の木が老婆に姿を変え、道を行き来する人に声をかけたとされる妖怪。柳の古木が怪異をなすことは、世界に広く知られている。」
残り、八十五。
「雪婆、雪の降る時期に現れる、一本足の老婆の妖怪。子供をさらうとされ、伝承の伝わる愛媛県では子供を外に出さないようにしていたという。」
残り、八十四。
「納戸婆、人家の納戸の中に住む妖
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