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問題児たちが異世界から来るそうですよ? 〜無形物を統べるもの〜
短編 一輝と湖札の物語 D
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霊を込めていく。
「この場合の鬼とは、ただ妖怪の総称としての意味しか持たない。ゆえに、あれは板の妖怪と呼ぶべきもの。」
「ソノコトダマヲ、ワレヲアバクコトヲヤメヌカ!」
青行燈は板の鬼となり、湖札を押しつぶそうとするが、一輝はそいつに刀を向け、その動きを止める。
「板の鬼はあまり強い妖怪ではない。だから刀を向けられるだけで恐れ、動きを止めてしまう。お兄ちゃんへの攻撃が途中で止まったのは、その性質が現れてしまったから。」
一輝のとっさの行動は、この妖怪に対して正解の行動だった。
「この伝承は、男はいかなるときも刀を手放すな、という教訓だけのために語られた妖怪、だから貴方の存在は薄く、もろい!」
湖札は再び矢を放ち、その存在を抉った。
残り、九十八。
「オノレ・・・モウテカゲンハセヌゾ!!」
青行燈の姿は消え、燃える巨大な車輪と業物の太刀、近くにある小石、吸血ムササビ、猫の先導する狼、巨大な僧、血を吸おうとする十二単を着た女性、叩き潰そうとしてくる巨人、以上が同時に現れた。
「この数を同時に唱えるのは・・・」
「ううん、ここまでの過程で分かったけど、所詮語られただけの妖怪だから、そこまで細かく込める必要はないみたい。その姿で顕現してる今ならなおさら!」
湖札はそう言いながら弓を引き、一輝は湖札に向かってくる妖怪を切り裂いていく。
「貴方が今使っているのは、火車、構い太刀、猫又、野鉄砲、化け猫、見越し入道、山姫、大坊主!全て日本で語られ、広がった妖怪!!」
湖札は同時に八本の矢を放ち、全ての存在を同時に抉る。
目の前にいたため、同時に矢を作ることができたのだ。
残り、九十。
「そこまで上手かったか、オマエ・・・」
「この矢ね、軽いホーミングが付いてるみたい。」
「いいなーそれ・・・俺のに比べてかなり使いやすいじゃん。」
「ハハハ・・・うん、確かにそうだね。」
湖札は何かしらの一輝の能力のメリットを探そうとしたが、一切見つからず認めてしまった。
「オノレ・・・マサカワレガココマデナルトハ・・・」
「あ、復活した。」
「だね。まだ後九十個あるし、それも穿たないと。」
「コレイジョウハヤラセヌゾ・・・!!」
一輝たちが迎撃準備に入ると、青行燈は巨大な、角を持つサルとなった。
「あれも百物語の一部?」
「ううん、違う・・・なんであんなことが・・・」
「コノスガタナラバ、ウガツコトハデキマイ!サア、オトナシククワレヨ!!!」
湖札が驚いているが、青行燈は一切躊躇せずに二人に襲い掛かる。
湖札は動けずにいるので、一輝が“盾”を巨大化させ、青行燈の攻撃を防ぐ。
「湖札!コイツは俺が足止めするから、早く言霊を!」
「でも、この姿になった理
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