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問題児たちが異世界から来るそうですよ? 〜無形物を統べるもの〜
短編 一輝と湖札の物語 D
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「もう知識はたまったのか?」
「うん、全部覚えたよ。時間稼ぎ、ありがとうね。」
一輝はそれを聞くと、青行燈を殴り、その場を離れる。
そのまま湖札の横に着くと、“日本刀”を構え、湖札を守るようにする。
「イマサラヒトリフエヨウト、ナニガデキルト!」
「悪いけど、もう終わりだよ。」
青行燈が腕を伸ばして湖札を攻撃するが、一輝はそれを切り裂く。
そして、湖札は一輝を信頼し、言霊を唱える。
「我は全ての魔を穿つもの、その存在の全てを穿つものなり!全ての異形は、我が内に在りし勝利を恐れよ!」
言霊を唱え終わると同時に、その空間が変わる。
洞窟の中にいたはずが、広く、銀色に包まれた空間となっていた。
「コレハ・・・」
「貴方は百物語の終わりに現れる、百物語そのものといえる鬼女です。」
青行燈が驚愕に染まっているが、湖札はそんなこと気にもせずに言霊をつむぐ。
「それ故に、貴方は一の妖怪でありながら百一の妖怪の力を持つ。お兄ちゃんに対して使っていたのは、語られた怪異談の妖怪です。」
「そうか、だから俺が知らないような力を。」
「うん、正解。・・・だから私は、その存在の全てを穿っていく。」
湖札はそう言いながら弓を引く。
すると、湖札の手に矢が現れ、弓につがえられる。
「まずは、最初にお兄ちゃんに使った妖怪、手長人から。」
湖札はその矢に言霊を吹き込み、引き絞る。
「手長人は九州に伝わる妖怪で、手長国の住民とされている。名前の通り手が長く、二丈もの長さがあるとされた。」
湖札はさらに矢を引き、二本目の矢を出現させる。
「そして、手長人は基本、もう一種類の妖怪と行動を共にする。それが足長人。」
湖札は新たな矢に言霊を吹き込んでいき、もう片方の矢には呪力を込める。
「これもまた九州に伝わる妖怪で、足長国の住民とされる。こちらもまた足が長く、三丈の長さを持つ。」
だんだんと湖札の口調は厳かなものになっていき、青行燈は様子を見るつもりか、何もしてこない。
「この二体は共に行動することが多く、海での漁も共にしていた。足長人に背負われた手長人が、その長い手で獲物を取るという、単純な方法で。」
湖札は矢をギリギリまで引き、
「その二体の妖怪が、貴方を構成する物語の一つ!まずは、その存在を穿つ!」
青行燈に放つ。
その矢は青行燈本体には一切のダメージを与えなかったが、確実にその存在の一部を抉り取った。
百一のうち二を抉り、残りは九十九だ。
「ナ・・・ワガモノガタリヲ!?」
「さあ、アイツを抉りきること、湖札はそれだけを考えて。俺があいつから守るから。」
「うん・・・次に、貴方は板の鬼の物語を使用した。」
湖札は新たに矢をつがえ、言
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