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問題児たちが異世界から来るそうですよ? 〜無形物を統べるもの〜
短編 一輝と湖札の物語 C
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「式神展開、“武”!!」
一輝は青行燈の顕現を確認すると、すぐさま式神を五体展開し、武装する。
このころは、代償のせいで“無形物を統べるもの”はほとんど使えないのだ。
「お兄ちゃん、どうする!?」
「とりあえず、こいつは俺が相手するから、湖札はあの絵から情報を!」
「分かった!」
湖札は一輝に言われたとおり、来るまでにあった壁画を見に行く。
前回、本人も言っていたが湖札の能力は相手についてどれだけ知っているかで決まるのだ。
「さて・・・どうしようか。」
「・・・キサマガ、ワレヲヨビダシタノカ・・・」
「はい?」
「キサマガ・・・ヒャクノモノガタリヲ、カタッタノカ・・・」
「いや、違うけど。」
一輝がそう言うと、青行燈は一輝を睨み、
「ナラバ・・・キサマヲクロウテモカマワヌナ!!」
そう、読んでいてすごく分かりにくい言い方をし、一輝に向かって六メートルほどになった腕を鞭のように振るってくる。
「あぶねえな!!」
一輝はそれを盾にした式神(以下“盾”)で防ぎ、距離を置こうとするが、そこに九メートルになった脚が襲い掛かる。
「長!!腕も脚も長!!!」
一輝は驚きながらも、日本刀にした式神(以下“日本刀”)でそれを斬り、今度こそ距離をとる。
「何だよこれ・・・青行燈って鬼女じゃなかったか?」
「ホウ・・・コノテイドデハ、イミヲナサヌカ。」
そう言いながら、青行燈は脚を生やす。
「せっかく斬ったのに・・・意味ないのかよ・・・」
「デハ、コレナラドウダ・・・!」
次の瞬間、青行燈は姿を消した。
「・・・は?どこ行った、あの野郎・・・」
一輝がそう悩んでいると、上のほうから、シャーー、という何かが壁とこすれる音が聞こえてくる。
「・・・まさかとは思うけど・・・上?」
一輝が上を見ると、そこには自分を圧死させようと向かってくる一枚の板があった。
「これどうやって避けんだよ!!」
そう言いながらも、しゃがんで姿勢を低くし、日本刀の切っ先を上に向けて構える。
すると、その切っ先に当たる寸前で板は消え、青行燈が再び現れる。
「マサカ、タイショホウヲ、シッテイヨウトハ・・・」
「いや、何もしらねえけど。」
「ダガ、マダオワラヌゾ!」
するとそのまま青行燈の姿は燃える巨大な車輪に変わった。
そのまま、車輪は一輝に向かってくる。
「単純な破壊力か・・・ならこっちも。」
そう言いながら、一輝は手のひらサイズの斧を取り出し、呪力をこめることで自分の二倍くらいの大きさに変える。
もちろん、これも式神から作り出したものだ(以下“大斧”)。
「どーせい!!」
そして、そのまま叩きつけて、車輪を止める。
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