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問題児たちが異世界から来るそうですよ? 〜無形物を統べるもの〜
短編 一輝と湖札の物語 C
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輝らしい、単純な考えだ。
「このままぶっ壊して」
「イヤ、ソウハサセヌヨ。」
一輝がさらに力をこめようとすると、車輪は姿を消し、再び鬼女の姿に戻る。
姿を変える前にどうにかできなければ、勝つことは不可能だろう。
「またその展開かよ。」
「ツギハコレダ!!」
もはや、一輝が愚痴る時間もなく次の一手を使ってくる。
今回は、手に一目で業物と分かる太刀が現れた。
「クラウガヨイ!」
「嫌に決まってんだろ!!」
青行燈がか刀を振るうと、空気の刃が放たれる。
一輝はそれを“盾”で防ぎながら、槍にした式神(以下“槍”)を投げつけて太刀を落とす。
太刀はそのまま、空気に溶けて消えてしまった。
「ふう、とりあえずは大丈夫じゃねえ!?」
一輝が一瞬気を抜くと、その隙を突くように巨大な槌が転がってくる。
が、一輝は“盾”に呪力をこめて巨大化させ、叩き割る。
そこから、一輝は大忙しだった。
叩き割ったと思ったら近くにある小さなものが一輝に向かって飛んできて、それを全て叩き落すとムササビのようなものが飛んできて血を吸おうとし、それを斬ると次は狼を引き連れた猫が現れ、槍で一掃したら見上げるほど大きい僧が現れ、「見越したぁ!!」の一言で消すと十二単を着た女が血を吸おうとし、ムササビと同じように斬り、というような作業を数えるのすら嫌になるくらい続けたのだ。
「おい・・・どれだけ手数があるんだよ・・・・こんな妖怪聞いたことねえ・・・」
「ホウ・・・ココマデシテマダイキテオルカ・・・ダガ、コレデオワリダ!!」
一輝がさすがにバテ、槍を杖にしていると青行燈が巨人の姿をとっていく。
そして、そのまま青行燈は一輝に拳を打ちつけようとし、一輝の表情を見て止まる。
「・・・ナゼワラッテイル?」
「いや・・・これで勝ちだと思ってるのが可笑しくてな。忘れたのか?ここにいるのは、俺だけじゃないんだぜ?」
一輝がそう言いながら入り口のほうを見ると、そこには
「そう、私もいるよ。」
銀色に輝く洋弓を持った、湖札がいた。
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