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問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
短編 一輝と湖札の物語 B
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あと二ヶ月で湖札は外国に行っちゃうのか・・・」
「寂しい?」
「当たり前だろ。今まで一緒に暮らしてた妹が、急にいなくなるんだから。」
「大丈夫だよ、私は兄さん一筋だから!」

そう言いながら、湖札はさらに強く一輝の腕に抱きつく。

「いや、そういう意味じゃないんだが・・・まあいいか。」
「そうそう!もう後二ヶ月しかないんだから、毎日一緒に寝ても・・・」
「いや、それは違うだろ。」
「なんで!?いいじゃん別に!長い間私と一緒に寝れないんだよ?寂しくないの?」
「それが普通だろ。むしろ、今までが異常だったんだ。」
「むう・・・いいもん、勝手に入り込むから。」
「これからは寝袋で寝ることにしようか・・・」
「お願い、やめて!私の楽しみを奪わないで!!」

一輝が冗談半分に言うと、湖札が本気で止めにかかってくる。
ブラコンここに極まれり、だろうか?いや、上には上がいることだろう。

「冗談冗談。まあ、毎日は無理だけど、そんなに一緒に寝たいなら、四日に一回くらいなら文句言わないでやるぞ?」
「ホント?お兄ちゃん大好き!!」

湖札は、腕ではなく一輝本体に抱きつく。
一輝はいつになったら兄離れできるのやらと思いながら、その頭を撫でるのだった。

「やっとお兄ちゃんが私の愛を分かってくれた!」
「いや、そうじゃないから。」

が、すぐに引き剥がし、歩き出す。

「・・・え?頭撫で撫では!?」
「終わったよ。早く行くぞ。まだ面白いものが見つかってないんだから。」
「ちょ、ちょっと待ってー!腕を!せめて腕を組ませて!」



        ====================



あの後、二人は山を進んでいき、途中で見つけた岩を粉々に破壊すると、洞窟を発見する。
途中、立ち入り禁止の立て札があったが、無視して突き進んでいるところだ。

「こんな洞窟があったんだな・・・何度も遊びに来てるのに知らなかった。」
「まあ、今まではこの辺りにつく前に妖怪が出て、それに対処してて時間切れ、って流ればっかりだったからね。今回は珍しく何にも出なかったし。」

そう言いながらも、どんどん突き進んでいく。
当たり前のことだが、洞窟内を照らすために一輝が懐中電灯を右手に持っているため、両手がふさがっている状態だ。
もう片方の手は、もちろん湖札。

「さて、わざわざ岩で隠してたんだから、少しは面白いものがあると思うんだけど・・・」
「今のところ、壁にかかれた絵ぐらいだね。この絵もよく分からないし。」

湖札はそう言いながら、すぐ横の壁に描かれた絵を手で触る。
そこに描かれていたのは、上から降ってくる茶袋とそれに驚く村人だ。

「まあ、それが何を書いたかはわかるんだけどな。こんなのを
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