反董卓の章
第9話 「スラッシュ、キィーック!」
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里」
「「 はい! 」」
「油の量は?」
「万全です!」
「『玉』は?」
「細心の注意で運ばせています!」
「よし……」
準備は整った。
さて……
「よし、ではいこうか」
―― 張遼 side ――
「伝令! 敵連合軍! 四里(二km)先に姿を見せました!」
「とうとう来たか……」
思ったよりは遅かった。
ウチらの予想では、もう五日ぐらい早くここに辿り着いてもおかしくはなかったんやが。
どうやら連合内部もごたついておるようやな。
「やっときたか……ノロマどもめ」
「なに言うとんねん、華雄。遅いのはありがたいこっちゃ。その分兵を集めることが出来るんやし」
五日ほど予想より遅かったお陰で、西の函谷関から兵を分けることが出来た。
北と南の関にも連合が動いているとの情報も得ることが出来た。
西を一万、南北に四万ずつ、そしてこの東の関には八万を揃えることができたんや。
虎牢関に恋率いる三万を置き、水関にはウチが二万、華雄の三万を配置できたのが昨日やった。
虎牢関では、今も防衛の増築と準備が進められとる。
一日でもここで粘れば、それだけ本命の虎牢関が硬くなる。
ウチと華雄の使命は、ここで時間を稼ぎつつ、諸侯の戦力を知ること。
そして、相手を確認することやった。
「敵、二里前にて停止の模様!」
「諸侯の旗はわかるか!?」
「は……先陣の牙紋旗を確認! 劉の旗が二種!」
「劉の文字……劉虞か劉表か?」
「いえ、あれは……」
物見していた兵が、うわずるように喉を鳴らす。
「あれは劉表と劉備です!」
「な、なんやて!?」
劉備!?
桃香が…………敵に回ったやと!?
「劉備……梁州牧、か。月が斡旋してやったというのに、敵に回るとは。とんだ恥知らずだな」
「言うてる場合か、華雄! 見張りぃ! ホンマに劉備か!? 間違いないんか!?」
「ま、間違いありません! 深緑に劉の文字! 劉玄徳の牙紋旗です!」
「桃香……なんでやねん」
あの桃香が……愛紗が、鈴々が……そして。
「なんでやねん、盾二……」
「霞、何をそんなに落ち込んでいるのだ。奴らは裏切り者。斬って捨てればいいだけだ」
「華雄…………」
ウチの横に立つ華雄が、自身の大斧を掲げてそう言った。
けど、ウチにはそんな簡単に割り切れん。
あの盾二が……敵に回るやなんて。
「やっぱり……戦わんと、あかんのか」
「いい加減諦めろ、霞。奴らは敵だ」
「っ! アホ抜かせ! 盾二が敵になるっちゅうんが、どれだけ恐ろしいか……あんたにわかるわけないやろ!」
二万もの人数が篭もる黄巾の砦を、神
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