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真・恋姫無双 矛盾の真実 最強の矛と無敵の盾
反董卓の章
第9話 「スラッシュ、キィーック!」
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 !?
 鈴々ちゃんが…………鈴々ちゃんが!

 色恋沙汰を語っている!?

「桃香お姉ちゃん、ひどく失礼なこと考えてないかー? というかみんなも……」
「む、あいや……」
「あ、いや、こほん」
「ええと……」
「あ、あははー……」

 この場にいるのは、愛紗ちゃん、星ちゃん、私。そして孫策さんにご主人様。
 それぞれが目を逸らしている。

「鈴々……君だけが最後の砦だったのになぁ」
「お兄ちゃん、それはどういう意味なのだ?」

 鈴々ちゃんが愛用の馬――でなく、豚に乗った状態で、剣呑な目をご主人様に向けている。
 そっかー……あの鈴々ちゃんも、そんなこと言うようになったんだねぇ。

「というか、雪蓮もいい加減に自軍に帰れ。もうすぐ水関だぞ?」
「えー? 私もいちゃダメ?」
「ダメに決まっているだろ…………なんでいいと思うんだよ、孫策軍大将の孫伯符さんは」

 指揮官が自軍ほっぽり出して、別の軍に同行している時点でおかしいんだけどね……

「だってぇ……最初は出し抜いて、水関攻めに加わろうかと思ってたけど。でも、盾二のことだから……どうせ水関で、私達の活躍する隙なんてないんでしょ? 冥琳も前に出る気は全くないみたいだし……袁紹や袁術は、盾二たちが全滅でもしない限りは前に出てもこないわよ?」
「まあ、あの二人はそうだろうなあ」

 袁紹さんも、その従姉妹という袁術さんも……私達が巻き込もうとしない限りは、自ら援護しようなんて欠片も思っていないみたいだし。
 周瑜さんは『楽しみにしている』なんて言ってたから、きっと本当に手を出さない気がする。

「曹操のおチビちゃんも、よっぽどのことがなければ様子見でしょ? 公孫賛は最後尾だから、前に出たくても出られないだろうし……」
「まあ、白蓮の騎馬隊がいても、攻城戦には無力だしな。そもそも劉虞の名代だから、袁紹もおいそれと参加させないだろ」
「だからぁ……私も、た〜た〜か〜い〜た〜い〜っ! ねえ、盾二ぃ……三千ほど兵を貸してくれない?」
「ダメ」
「なんでよ、ケチぃ……」

 け、ケチって……

「義勇軍ならいざしらず、今はお互い別陣営なんだぜ? 俺が許しても、兵がどう思うか……そもそも袁術軍の配下が、劉備軍で戦っていいのか? 袁術にも袁紹にも睨まれるぞ?」
「ん〜わかっているけどぉ……」
「……ほんとにバトルジャンキーだな。そんなに戦いたいの?」
「うん! 兵を貸してくれるの!?」
「ダメ」
「じゅんじぃ〜〜〜」

 ……はあ。
 
「孫策さん……そろそろ水関も近いんだし、さすがに自分の軍に戻らないと。また周瑜さんが、怒鳴りこんできちゃわない?」
「?っ……ま、まだ大丈夫……よ、劉備ちゃん。大丈夫……よね?」

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