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万華鏡
第四十五話 運動会当日その十五
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「その楽器とかマイクもあまり見えないし」
「現実的じゃないにしてもね」
「そうよね、それもね」
 そうすることもだとだ、また言う彩夏だった。
「面白いわよね」
「出来たらいいけれどね、それも」
「実際にね」
「まあそういうことは文化祭に置いておいてね」
 里香もここで言う。
「今はね」
「うん、着ぐるみの場所に行くのね」
「そうしよう」
 こう彩夏に言ったのである。
「それで着ましょう」
「場所はうちの部室だから」
 琴乃は両手に着ぐるみの頭、秋田犬のそれを持ったままで二人に告げた。
「そこで着てね」
「そのこと美優ちゃんにも伝えてくれる?」
 彩夏は少し離れたところで立ったままの彼女を指差しながら琴乃に話した。
「そうしてくれる?」
「うん、わかったわ」
 琴乃も彩夏の言葉に笑顔で応える。
「それじゃあ今からね」
「美優ちゃんは着られたら何でもいいみたいだけれど」
「沖縄のもあるけれど?」
 ここで琴乃はこうも言った。
「沖縄のゆるキャラもね」
「あれっ、あるの」
「そーきそばンね」
 それがそのゆるキャラの名前だというのだ。
「あっちの八条観光のマスコットキャラなのよ」
「それもあるの」
「子供でそーきそば食べてる子供よ、向こうの服着てね」
 沖縄の昔の服のことであるらしい、彩夏は琴乃の話からこう考えた。そのうえで琴乃の話を聞くのだった。
「そのキャラもあるから」
「じゃあそのこと美優ちゃんにお話してくれる?」
「わかったわ、それじゃあね」
「さてと、どうかしら」
 景子は彩夏に応える琴乃の横でその猫の頭を被ってみた。それは確かにあの青いネコ型ロボットに似ていた。
「可愛い?」
「ええ、可愛いわ」
「あれに似てるけれどね」
 里香は素直に、彩夏は少し微妙な顔で応えた。景子もそれを聞いて頭の部分を脱いでから笑顔で話した。
「じゃあその時にまたね」
「着るのね」
「そうするのね」
「そうするわ」
 こう笑顔で言う景子だった。
「じゃあ二人も選んできてね」
「ええ、それじゃあ」
「今からね」
 こうして二人もそれぞれの着ぐるみを選んで来た、里香は兎、そして彩夏は鬼っ子だった。913
 その鬼を見てだ、里香は彩夏に言った。
「やっぱりそれって」
「そう、ナマハゲよ」
 それだとだ、彩夏は答える。
「秋田の方のね」
「なまはげ君よね」
「秋田っていったらやっぱりね」
「ナマハゲなのね」
「まずこれなのよ」
 秋田名物となっているこれだというのだ。
「だから選んだけれど」
「実際のナマハゲより可愛いわね」
 そこはゆるキャラらしかった、実際にかなり可愛い。
「デフォルメされている感じで」
「本当のナマハゲって迫力あるからね」
「怖いわ
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