第四十五話 運動会当日その十三
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「危ないよな」
「まあ細かいところは違うからね」
「あちらは何も言ってないんだな」
「そうみたいよ」
「だといいけれどな」
「結構危ないネタよね」
「そうだよな」
美優は彩夏のその言葉に頷いた。
「よくあそこまで危ないネタ出来たよ」
「全くよね。まあ口元は違うし髭の本数も違うしちゃんと指もあるから、グローブだけれど」
あのゴムマリ状ではないというのだ。
「そうなるからね」
「大丈夫か」
「そう、まあね」
彩夏を見ながらさらに話すのだった。
「細かい部分が色々違うし、それに特に色がね」
「白いからな」
「青じゃないからな」
このことが最も大きかった、何しろそのロボットの色は青でありそれが最大の特徴だからだ。元々は黄色かったが耳をかじられた自分の姿を見てそれで青ざめてその色になったのである。
「そこで言えるか」
「うん、まあ他にもね」
「やばそうなキャラいるよな」
「結構ね」
いた、そのことも話すのだった。そうして。
二人にだ、里香がこう言って来たのだった。
「ねえ、レースに出るのはね」
「ああ、先輩達だけだよな」
「二年の人達だけよね」
二人は会議で決まったことから応えた。
「だからあたし達は応援だよな」
「それに専念するのよね」
「そう、けれどね」
その応援がだというのだ。
「その応援の時に皆でね」
「l着ぐるみ着るんだな」
「そうなのね」
「そう、着るからね」
そうするというのだ。
「皆ね」
「あたし達もか」
「そうしろっていうのね」
「軽音楽部の女子部員全員でね」
「何か凄いな」
「そこまでするのね」
「部長さんもずっと考えておられたみたいなのよ」
決定権者である彼女もだというのだ。
「どうしてインパクトを出すかね」
「インパクトかよ」
「そう、インパクトね」
まずそれを意識してだ、決めたというのだ。
「やっぱりゆるキャラがずらりと揃ってたらいいじゃない
「それはそうだよな」
「ちょっと考えただけでも壮観よね」
美優と彩夏も里香のその言葉に頷く。
「絵になるよな」
「面白い場面ね」
「ゆるキャラが走るだけじゃないからね。それにね」
「何か相手も凄いな」
「結構以上に」
美優はリレーの相手、他の文化系の部活の面々を目の前に見た。景子の様な巫女の袴姿だったり中世の騎士だったりする。
歌舞伎役者もバロック期のフランス貴族の男女もいる、着ぐるみで特撮の怪人達までいる始末である。かなりの顔ぶれだ。
その彼等を見てだ、二人は言うのだ。
「敵もさるものだよな」
「もう走ることの合理性考えてないわよね」
これはゆるキャラの彼女達も一緒だ、軽音楽部の男子部員達にしてもその服装は異様と言っていいものであった。
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