第七十四話
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第七十四話 亜美の使い魔
亜美は二人に今度はこんなことを話した。
「うちも魔女やから使い魔いるから」
「そうそう、使い魔は魔女の基本だからね」
「魔女はまず使い魔を手に入れてからだからね」
二人も応える、魔女になるにはまず使い魔を手に入れなくてはならないのだ。使い魔を手に入れてはじめて魔女になれるのだ。
華奈子はタロとライゾウ、美奈子はタミーノとフィガロだ。そして亜美はというと。
「うちの使い魔は蝙蝠とムササビやねん」
「空を飛ぶ哺乳類ね」
「何かそうかもって思ってたけれど」
「あっ、勘がええな」
亜美は美奈子の言葉を聞いて顔を明るくさせて応えた、そのうえで彼等の名前を呼んだ。その名前はというと。
「アルテミス、セレニティ」
「はい、ご主人様」
「お呼び?」
亜美の右肩に蝙蝠が、左肩にムササビが出て来た。亜美はまず自分の肩に止まった蝙蝠に顔を向けて二人に話した。
「この娘がアルテミスうあ」
「女の子なのね、その蝙蝠さん」
「それとムササビさんも」
「そや、ムササビの娘はセレニティで」
左肩に止まるムササビの名前も言う。
「やっぱり女の子やねn」
「そうなのね、二人共女の子なのね」
「一緒なのね」
「そやねん、二匹共夜に強いんや」
「蝙蝠にムササビだからね」
「それでよね」
「うちも夜に強いんやで」
亜美自身もだとだ、にこりと笑ってこのことも話した。
「起きようと思えば幾らでも起きられるねん」
「それはあたしはね」
亜美のその特徴を聞いてだ、華奈子は困った様な苦笑いで言った。
「無理ね、最低でも八時間は寝ないと駄目だから」
「華奈子はよく寝る方だからね」
「さもないと調子が出ないのよね」
「うちは五時間位で充分やで」
亜美はそうだというのだ。
「寝ようと思えば幾らでも寝られるけれどな」
「あたしも寝ようと思えばすぐよ」
華奈子は寝つきがいい、それこそ横になって目を閉じればそれで寝られるのだ。40
「それから八時間ね」
「それはまた凄いな」
「そうでしょ、いつも身体を動かしてるからね」
それでだというのだ。
「すぐに寝られるわ」
「ええな、うちもそうなりたいわ」
「まあそれで寝ることに苦労したことはないけれどね」
亜美は華奈子の話を聞いて羨ましくさえ思った、そうした話をしてだった。
亜美はまずは二人と親睦を深めていった、そこに後の四人も来てそのうえでさらに話をしていくのだった。
第七十四話 完
2013・9・20
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