幼なじみは良く分からん
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話?」
「おう、『家は味噌汁とお茶をすする音で包まれた』って所まで……って、疑うなよ!」
「こやつ、さり気なく最後までをホントと言い張っておる……」
やはり信じてくれないか……
薄々そりゃあ、そうだよな、とか考えてたけど、
「ちっ、めんどくせ……」
「自分から話を振っておいて……ダメだよ、それ天ちゃんの悪い癖!」
「うるせぇよ美恵、人の苦労も知らんと……」
こいつは赤土美恵(せきどみえ)一応幼なじみだ。なんやかんやで幼稚園の頃から一緒だ。今までもよく一緒に遊んでいる。
「俺も胡散臭いと思ったけどさ、消しゴムの中に入るんだぜ、認めざるを得ない。」
「なら、証拠を見せてよ。」
「ホント、お決まりのセリフだよなぁ。」
「そこ、こんなこと言わない! 私 だってそう思ったんだから。」
こんなやりとりどっかで見たかもしれん。そうか、昨日か……デジャブ、
「と、ところでその女性ってどんな人なの?」
美恵が首をかしげながら聞いてくる。信じてなくても気になるものなのか? まあ、これも証拠の一つだし言っておくか。
「人のお楽しみを奪うような奴だよ。むだに見た目はいいけどな。」
そう言ったら両頬をぷくっと膨らます。おお、両頬引っ張りてぇ……ていうか、なんだなんだ?
「……綺麗な人なんだ、」
「あ、ああ、無駄にな。」
なぜもう一度確認する、俺のことがそんなに信じれないか?
大事なことなので二回確認しました。ってやつか?
とりあえず話を逸らしておこう。
「もうすぐ授業だ。ほら、席に戻れよ。」
「はーい、分かりましたよーだ!」
少し不機嫌な返事をして俺の後ろから立つ。…………何故? 何かあったのか?
「綺麗な人だからってデレデレしてるんじゃないわよね……」
「あんだって?」
「何もないよ、バーカ!」
よく聞こえなかったから聞き返しただけなのに酷い言われ様だ。
あいつはそんなに俺のことが信じれないのか、幼なじみだろお前……少しくらい信じてくれても、ってそれは無理な相談か、
ったく、幼なじみは良く分からん。
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