第一部
第二章 呪印という花を君に捧ぐ。
カンクロウ
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が折れた。嫌な音と共に稲妻のような痛みが体を襲う。余裕に満ちた笑みを浮かべたカンクロウは、残酷に言い放った。
「骨まで砕けば、もっとぐにゃぐにゃになれるじゃん」
――私としたことが、危うく試合を途中で止めてしまうところでしたね
カンクロウがミスミが油断するその一瞬をずっと狙っていたことや、それが傀儡であることにも気付かなかったとは。
ばたりとミスミが烏共々地面に倒れた。これだけ骨を砕かれればもう試合は無理だろう。治らないこともないかもしれないが、下手すれば忍者廃業だ。
「――試合続行不能につき、勝者カンクロウ」
ヒルマがチャクラを纏った手をミスミの体に当てて、「この人も緊急治療室へ」と指示する。白眼で見た所、骨が折れまくってかなり悲惨だ。
「二対一ってのは卑怯だってばよぉ。あれ、いいなああれ。カカシセンセ?」
「……別に卑怯じゃないだろ? 人形なんだし」
「あれは、傀儡の術よ。チャクラで人形操ってんの! 手裏剣とかの忍具と一緒よ!」
ナルトのそんな言葉に拍子抜けしたらしいカカシが返し、サクラが説明する。あれいいよなあ、とマナが羨ましげに溜息をついた。
「あの人形で人間のフリさせりゃあ、食べ放題の店とかで二人前注文できるし」
「いや待てマナ、お前は二人前とって一人で全部食べきるつもりか?」
「マナ、その費用を負担するのが誰かちょっと聞いてもいいかな?」
勢いよくはじめとハッカが振り返る。いやいや二人とも突っ込むところなんか違うし、とテンテンがツッコミをいれ、とりあえず二人前全部食べて費用は全部他人もちでしょうねとサクラがぼやいた。
「では、これより第四回戦を始めます」
掲示板がの名前が流れていく。ナルトがなんでどいつもこいつも変な奴なんだと言い、カカシが「お前が言うかよ」と突っ込む。サクラは言えてる、と笑い声を上げた。
「サクラ」
ちょんちょんと肩を突かれる感触に振り返って、そしてそこに見えたものにサクラは目を見開いた。
【 はるの サクラ
VS
やまなか いの 】
反射的に振り返ると、いのの驚いた視線とかち合う。いのが強気な顔を見せた。サクラは数秒躊躇い、そして同じく強気な顔をしてみせる。こうと決まった以上もう後戻りは出来なかった。
「まさかサクラ、あんたと戦うことになるなんてね……! ――しかもこんな早く」
成績表を見てみる限りいのはくノ一ルーキーでも抜きん出ている方だが、しかし彼女が自身の親友相手に本気になれるだろうか。彼女らが親友でありライバルであるということはいのがサクラのことを話す様子からも見て取れるし、いのは友達思いの少女だ。そんないのがサクラ相手に本気を出せるかと言ったら本気でキレない限り無理
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