暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
ALO
〜妖精郷と魔法の歌劇〜
最悪といっていい展開
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角を吊り上げて微笑んだことも、なぜかマイが何かを叫んでいることも、気にならなかった。

はしばみ色だったその瞳が、毒々しい黄色に染まっていることも、気にならなかった。

一歩、二歩と灯りに吸い寄せられる蛾のように歩を進める途中で通過した、鳥籠を形作っている純金の棒が四角く斬り取られていたことも、気にならなかった。

麻痺したように動かない唇から、音にならない声が漏れ出る。

「…………アス……ナ」

軽い衝撃が腹部に走った。

やけに焦点の定まらない眼を下にやると、一人の少女が必死の形相で純白の髪を振り乱しながらキリトを止めていた。だが、触れたら折れてしまいそうな細い腕では、大の男を止める力など全く出なかった。

キリトの足はグググ、と操られているように強引に進んでいく。

「キ……トッ!ダメ……な…だよっ!お………がいッッ、止め――――ッ!」

千切れた言葉の羅列が、鼓膜を震わせていく。

―――なんだよ。なに言ってっか………分かんねぇよ。

とろけた心の中、黒衣の少年は呟く。

直後、ふぁさっとして柔らかな感触と温かな体温が身体を包み込んだ。

あの頃の目が、あの頃の体温が、あの頃の感触が。

肌を通して、心の中の無防備な部分にゆっくりと染み込んでくる。それは抗いようもなく、また例えようもないほどに心地良かった。

『キリト君、信じてた。きっと――――来てくれるって』

耳朶を打つ、声。

それすらも耳に心地良かった。涙が出るほど懐かしき声。

直後

『アリガトウ』

にぃっ、と。口角を持ち上げ、引き千切れたような、焼け爛れたような笑みを、アスナだったモノは浮かべた。

《鬼》は、嗤った。










「つまり……、キリトにーちゃんは一人で行ったんだね。ユイちゃん」

レンとカグラ、さらにユイを追加した三人一行は変わらずに純白の通路を失踪していた。いや、変わらずと言えば若干の語弊があるかもしれない。なぜなら、レンとユイは走っていないのだから。

ユイは言わずもがな、ナビゲーションピクシーという身分のために背に生えている、無限に飛べる翅を使って飛んでいる。ならばレンは、と問われると、それは彼の身体が現在進行形でカグラの背におぶられているからだ。

あの後、ユイと合流した後、レンは現実で言うならば貧血に似た症状のおかげで地に伏せることになった。

たびたび明記するが、彼の寿命は現実世界の時間軸で残り二週間なのだ。否、ひょっとしたら大規模戦闘を経た今ならば、それよりもっと低くなっているのかもしれない。

《冥王》と呼ばれた少年の脳は、冗談抜きでもう限界なのだった。一つの安心できる材料とすれば、つい昨夜サーバーメンテナンスという
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