第一部
第二章 呪印という花を君に捧ぐ。
サスケ
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そのカッコじゃ巻き添えだぞ! 一度体に戻れーっ! チョウジもこっちこい、隠れんぞ!」
いのの体共々叢に隠れこんだシカマルが叫んだ。チョウジがその傍に逃げ込み、いのが術を解いて自分の体に戻ってくる。とりあえずはチームメイトの安全を確保できたシカマルはほっとしたように笑った。
呪印が紅く燃えあがった。赤く爛れたような色合いになった呪印はまた地虫のようにサスケの肌を這って、左半身から右半身へと移っていく。そのあまりのチャクラの量とその禍々しさ、そして呪印を受けても生き残れるその精神力の強さにドスは慄いた。
「ドス! こんな死に損ないにびびるこたぁねぇ!」
「よせザク! わからないのか!?」
焦燥に満ちたドスの声もザクは聞き入れない。
「――こいつら全員、一網打尽だ! 一気に片付けてやる」
ザクの掌が、呪印を這わせたサスケ、地面に座り込んだサクラ、更に横たわるナルトに向けられる。
「斬空極波!」
斬空波より更に上を行く、空気圧を使用した術だ。あまりの激しい風にドスすら体が引きずられていかれるような感覚に陥る。これを正面から受けたら一溜まりもないはずだ。
風がやっと止んだ。それなりにチャクラを使うこの技を使用して、ザクの息も乱れている。風は進路にそって道を大きく抉り、そして七班の姿は見当たらない。ザクは嘲るような笑みを浮かべる。所詮はこのくらいか。
「へっ、バラバラに吹っ飛んだか」
「――誰が」
「!?」
背後から突如として聞えたその声に振り返る暇もなく、自分の背後に立っていたサスケの左腕が振り下ろされる。首筋に直撃してきたその腕に叩き飛ばされたザクはドスの足元へ吹っ飛んだ。
「ザク!」
サスケは斬空極波が放たれる一瞬前に、既にサクラとナルトの二人を抱えてザクの背後に回りこんでいたらしい。なんてスピードだ、とドスは慄きながらサスケを見つめる。そしてサスケの手が素早く印を結び、そして火遁・鳳仙火の術が放たれる。火の固まりが数個飛んできて、ザクは空気圧で火を吹き飛ばすも、しかしその中には手裏剣が隠されていた。
「ザク、下だ!」
「!」
飛来してくる手裏剣がザクの体を掠っていく中、ドスが叫ぶ。下方に視線を寄せれば、自分の飛ばした手裏剣を避けるように体を屈めて突進してきたらしいサスケが瞬時に自分の足元から飛び上がり、ザクの両腕を掴んで、右足でその背中を押さえつけた。
そして喜悦を滲ませたおぞましい笑みがサスケも口元に浮ぶ。
「両腕が自慢らしいな、――お前」
「っ、やめろ……!」
サスケの意図を理解したザクの目が恐怖に見開かれる。そして聴くも恐ろしい音が響き、ザクは地面に倒れた。苦悶の呻きをあげるザクの両腕は動かない。よければ関節を外された、そして悪
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