TURN103 赤い海賊その十
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「全然当たりませんね」
「命中率は精々十パーセントといったところだな」
「折角の長射程が」
それがだった。
「無駄ですね」
「間も無く敵の射程に入る」
「そうなりますね」
「敵は我々とは違う」
こう言ったのである。
「動く相手にもな」
「こりゃまずいですね」
「しかしそう来るならだ」
難しい顔でだ、ジューコフは指示を出した。
「全軍散開し艦隊ごとに機動戦を展開せよ」
「了解です」
コンドラチェンコが応える、かくして。
ソビエト軍は散開し各個での戦いに移ろうとする、だがそれは。
枢軸軍にとっては望むところだった、彼等もまた艦隊単位に別れそのうえでそのソビエト軍に動きながら昇順を定める。
その中にはドワイトもいる、彼は自身に満ちた声で部下達に言った。
「いいか、確実にだ」
「焦らずに、ですね」
「敵の予想進路も出して」
「そのうえで攻撃すればいい」
それだけでだというのだ。
「敵の動きはわかるな」
「思ったより動きが悪いですね」
「何か慣れていない感じで」
部下達も言う。
「機動戦は苦手の様ですね」
「数で攻めて広範囲の攻撃を仕掛けるのは得意の様ですが」
「それならだ」
どうするか、ドワイトも言う。
「長官の言う通りにな」
「機動力を使って、ですね」
「我々は攻めますか」
「そうする、動く相手を動きながら撃つ」
これが東郷が考えたソビエト軍への戦術だった、実際にそうして。
ドワイトは己の艦隊を動かしながら動いているソビエト軍の艦隊に照準を当てる、向こうも攻撃を仕掛けてくるが。
それは当たらない、これに参謀達が言う。
「やっぱり当たりませんね」
「本当に動く相手を狙うことは苦手ですね」
「意外な弱点ですね」
「艦艇にしては」
「それならその弱点を利用させてもらうか」
ドワイトは不敵な笑みで言った。
「ではな」
「はい、それでは」
「今から反撃ですね」
「敵の予想進路は既に出しています」
何パターンかあるが全てコンピューターで出しているのだ。
「では後はですね」
「その進路に来たところで」
「一斉射撃だ、いいな」
ドワイトはこう告げた。
「今からな」
「了解です」
敵艦隊は予想進路の一つに入った、そして。
照準を合わせ撃った、するとだった。
ソビエト軍の艦艇は次々とビームに貫かれ動きを止めた、それはさながら鴨を撃つ様だった。
その彼等を見てだ、ドワイトは言う。
「本当に動いているといいんだな」
「その様ですね、では」
「次の艦隊も狙うぞ」
「次は水雷攻撃ですね」
「ああ、それだ」
こう話して実際に次は水雷攻撃を仕掛ける、ソビエト軍はその機動戦に対して何もすることは出来なかった。
ドクツ軍に対し
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