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ヘタリア大帝国
TURN103 赤い海賊その四
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「どうも」
「それが難点だな。しかしだ」
「はい、この方のことですね」
「どうするかだな」
「あっ、捕虜は捕虜にした国で戦ってもいいのよね」
 リョウコの方からこう言って来た。
「じゃあ何もしないのも暇だからね」
「枢軸に加わって頂けますか」
「そうしていいかしら」
 自分から志願してきたのだった。
「これからね」
「はい、ではお願いします」
 願ってもない話だった、日本も即座にこう返した。
「ではこれからは」
「枢軸の一員だね」
「宜しくお願いします」
「それじゃあね」
 こうしてリョウコ=バンラーも参戦した、混乱を鎮めた枢軸諸国はとりあえずは安堵した、そしてそのうえでだった。
 チェリノブを攻める、工作の失敗で動揺していた今のソビエト軍は意気あがる枢軸軍の敵ではなかった、しかも。
「祖国殿もおられない」
「しかもジューコフ元帥もな」
 彼も不在だった、何故なら。
「こんな時にモスクワに召還されてか」
「作戦会議とはな」
「コンドラチェンコ提督もゲーペ長官もだ」 
 つまりソビエト軍の最高幹部達が一同に集められたのだ。
「工作失敗を受けての緊急作戦会議だが」
「そこを狙われたな」
「敵も馬鹿ではないな」
「全くだ」
 ソビエト軍の将兵達も歯噛みするしかなかった。
「祖国殿達も同志元帥達もおられないのでは」
「これではな」
「ああ、勝てない」
「これは駄目だ」
 果敢に戦うがそれでもだった、今の彼等では枢軸軍の相手にはなれなかった。
 こうしてチェリノブまで制圧された、それを受けてだった。
 秋山はチェリノブの港で東郷に言った。
「いよいよです」
「ああ、ウラルからだな」
「ソビエト領の主な星域に入ります」
「特にモスクワだな」
 ソビエトの首都星域、東郷は特にこの星域の話をした。
「あそこを攻め取るか」
「モスクワを攻め取ればです」
 そこからだというのだ。
「講和の可能性がありますが」
「講和出来ると思うが」
「いえ、先程外相とお話したのですが」
 その宇垣とである。
「外相は講和の可能性は薄いとお考えです」
「御前もだな」
「はい、カテーリン書記長はかなり強情なところがあります」
 カテーリンの年齢を考えての言葉だ。
「ですから」
「モスクワを陥落させてもな」
「まだ戦うでしょう」
「そうだな、しかしモスクワを陥落させるとだ」
「はい」
 秋山もここで言う。
「戦局は我々に大きく傾きます」
「モスクワからソビエトの多くの星域に行くことが出来る」
「まさにソビエトの交通の中心です」
 伊達に首都ではない、そう出来るのだ。
「南北そして中央の何処にもです」
「攻めることが出来る」
「つまりバルバロッサ作戦を逆に進められます」

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