TURN103 赤い海賊その二
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「じゃあ本気で行くからね」
「どちらが死ぬかですか」
日本も二刀流のままロシアと対峙している。
「この戦いは」
「僕もまさかここまでやるとは思わなかったよ」
冬将軍を出すまではというのだ。
「日本君も皆、凍らせてあげるよ」
「その前に貴方を倒します」
日本は急激に迫る凄まじい寒気に耐えながら返した。
「私の全ての力で」
「日露戦争以来の決着をつけるよ」
国家達の死闘は最早全てを賭けたものになっていた、だがそれを見て。
明石と闘っているゾルゲはその彼等に厳しい顔で告げた。
「作戦は失敗です、撤退すべきです」
「いや、まだだよ」
ロシアは漆黒のオーラを放ちシベリアを思わせる笑みを浮かべていた、そのうえでの言葉である。
「この星を完全に氷河にしてあげるから」
「いえ、クローン人間達が敗れました」
ゾルゲはそのロシアに言う、ロシアもまた日本と激しい攻防に入っている。ただ冬将軍を出しただけではなかった。
「今それを感じました」
「直感で?」
「はい、感じ取りました」
この辺りも超人だった、ゾルゲは遠く離れた場所での戦いのことも察しているのだ。
「そしてこの星で蜂起した同志達もです」
「皆負けたの?」
「全て反動主義者達に敗れました」
こうロシアに告げる。
「誰もが、そしてこの皇居に向かっています」
「今から日本君を倒してこの星を皆氷にするよ」
「いえ、日本殿も強いです」
ゾルゲは冷静に彼の強さも見切っていた、それでだというのだ。
「戦えば祖国殿かどちらかが本当に消えます」
「そのつもりだけれど」
「生き残っても瀕死の重傷です、それでは冬将軍も使えません」
「この星を凍らせられないんだ」
「はい、無理です」
こう言ってそしてだった。
「撤退しましょう」
「そうするしかないのかな」
「また次の機会があります」
作戦は失敗した、だがそれでもだというのだ。
「ここは撤退しましょう」
「仕方ないね、それじゃあ」
「アジトが一つだけ残っています」
ゾルゲはこのことも直感からわかった。
「そこに逃げてです」
「ソビエトまで戻るんだね」
「そうしましょう、残っている者達を集めて」
「わかったよ、じゃあね」
ロシアは冬将軍を収めた、そのうえでまだ対峙している日本に告げた。
「また会おうね。今度会う時はお友達として会おうね」
「殺し合うと言ってなかったか?」
東郷はそのロシアに突っ込みを入れる。
「それはどうなるんだ?」
「あっ、言葉のあやだから」
ロシアはいつもの屈託のない、とはいっても何故か雰囲気は全く変わらないその笑顔で東郷にも返す。
「気にしないで」
「そうか」
「うん、じゃあまた会おうね」
本当に何時でも変わらないロシアだ。
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