フレデリックとヤンデリカ
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「す、済まない・・・が、私はここここのドラゴンを・・・た、倒さねば、ならない」
まぁ、当然と言えば当然の答えをする。
それを聞いたティアは俯くと、口を開く。
「・・・そうですか」
そう呟いたと同時に、ティアは顔を上げると、目を閉じた。
すると少しの風が起こり、その風はティアを包み、やがて消える。
そして風が晴れた時、そこに尼僧服のティアはいなかった。
「ならばここで全員の命を絶やすのみ!ドラゴンはやらせん!」
代わりに、バロンコートのティアがいた。
カーリーロングヘアは一気に短くなり、まるで男のような髪型になる。
豊満な胸はぺたんこになり、まるで男のような体形になる。
そしてティアは黒く、銀色の装飾が施された剣を手に持っていた。
「かかって来るがいいフレデリック!このドラゴンは俺が命に代えても守り抜く!」
「そ、そそそそう言うのなら、せ成敗いたす!」
一人称まで「俺」になるティア。
「痛ええええええええーーーー!」
そして今頃痛みが来たのか、叫びながら炎を吐くナツ。
その炎により、舞台が一部・・・というか、半分壊れた。
「よさねぇか、ナツーーーーー!」
「ぎゃああああっ!」
「!ジュリオス、貴様ァァァァァァァッ!」
これ以上被害を大きくしないようナツを着ぐるみごと凍らせるグレイ。
それを見たティアは剣を構え、叫ぶ。
「轟け!黒き稲妻よ!」
その言葉に反応するかのように、黒い稲妻がグレイ目掛けて落ちる。
もちろん当たりたくないのでグレイは避け、その稲妻で舞台が壊れていった。
「こ・・・こうな・・・タラ・・・ぜ、ぜぜ、全員成敗いたす!」
エルザは相変わらずセリフを噛みながら剣を構える。
「もうめちゃくちゃーーーー!」
ルーシィが叫ぶ。
こんな状況にも拘らず、ラビアンは笑みを浮かべて「うんうん」と頷く。
「しかも・・・凄くやな予感・・・」
ルーシィが小刻みに震えながら辺りを見回す。
と、同時にピシィ、と何かが割れるような音が響いた。
そしてピシピシ・・・とひび割れは大きくなっていく。
そして。
「やっぱりーーーーーーー!」
見事なまでに、割れた。
が、一気に観客は歓声を上げる。
「いいぞーっ!」
「ブラボー!」
「あははっ!」
「こんなの見た事ねぇー!」
観客の凄い笑い声にルーシィは振り返り、幸せそうな笑顔を浮かべた。
「素晴らしーーーーい!」
一週間後。
『フレデリックとヤンデリカ』のポスターには『SOLD OUT』の文字。
「げはははっ!まさかこんなに大ヒットするとはよォ。大根役者のクセしてやるじゃねーか」
満足しているラビ
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