フレデリックとヤンデリカ
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海の閃光であり氷の女王が何を言うか。
もう十分すぎるほど目立っている。
「ティア、とりあえずお前は何か役をやれ」
「何でよ」
「お前はそこら辺の女優より演技が上手いからだ」
まさかの事実が発覚した。
「そうなの!?」
「そうなのか!?」
「初耳だぞんなモン!」
「何だ、知らなかったのか?ティアは依頼先でいろいろ演じているぞ?」
「相手を騙す為に演技を勉強しただけよ」
相手を騙す為の演技がこんな所で役に立つとは。
が、ティアは参加する気はない様で。
「嫌よ。絶対に裏方をやりますからね!どっかの誰かさんのせいで趣味に没頭出来なくなったんだから、少しは私を自由にさせてもらわないと気が済まないわ」
そう言うとティアはこれ以上話す事はないと言うように頬杖をついて魔法書を読みだしてしまった。
こうなったティアはクロスでないと動かせない。
という訳で、フレデリックをエルザ、ヤンデリカをルーシィ、ジュリオスをグレイ、ドラゴンをナツがやる事になった。
そして、当日。
会場は満員、それを舞台裏のカーテンから見たラビアンは目に涙を溜める。
「おおお・・・こんなに客が入るなんて初めてですよ。ありがとうございます」
そして衣装に身を包んだルーシィ達も気合を入れる。
翠を基調とした王子風の服のエルザ、青を基調とした貴族風の服のグレイ、ピンクを基調としたドレスのルーシィ。ナツはドラゴンの着ぐるみを着て、ハッピーは真っ黒な黒子の衣装を着ている。
ティアも忍者かとツッコみたくなるような真っ黒な装束を着ていた。
「キャー♪リラもこんな大勢の前で歌うの初めて〜」
「あとは成功させるだけね」
全く緊張していないリラ。
そして幕が上がる。
「遠い〜遠い〜昔の事〜♪西国の王子は敵国の姫に恋をした〜♪」
幕が上がると同時に、リラの綺麗な歌声が響く。
「なんて綺麗な声なんだ!」
「うっとりするわ」
それは観客にも好評だった。
・・・が、ここから劇は段々おかしくなっていく。
「西国の王子は〜♪姫を助けに〜死の山へ〜♪」
「え・・・!?姫・・・なんか捕まってたの!?」
観客の知らない所で姫が捕まっている。
そしてついにキラキラ輝くほどに役者をやってみたかったエルザの演技が!
「わ、わ、わわ・・・わ、我が名はフレデリック〜・・・ひ、姫、た・・・たた、たす・・・助けに・・・ました!」
「何だアレ!ガチガチじゃないかー!」
・・・が、エルザはまさかの本番に弱いタイプだった。
ちなみに今のセリフは本来なら『我が名はフレデリック。姫、助けにまいりました!』か『我が名はフレデリック。姫、助けに来ました!
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