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木ノ葉の里の大食い少女
第一部
第二章 呪印という花を君に捧ぐ。
笑尾喇
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、何かネタがあるんだろう? 馬鹿正直には避けないよ! 君の技は、前に見せて貰ったからね!」

 前に見せてもらった、というのはマナとキバをカブトが庇った時だ。カブトは完全に見切ったはずなのに、それでも吐いた。ということはきっと何かのトリックがある。
 ちらりと近くに目をやると、キンの背後に回りこんだはじめが似之真絵を振り上げていた。

「――!!」

 間一髪それに気付き、右に飛びのいて回避することが出来たキンは千本をはじめに食らわさんとするが、はじめは一歩下がって回避するなり刀でそれを弾く。キンが印を結ぼうとしたが、そうさせるほどはじめは甘くない。似之真絵を振りかぶってキンを攻撃する。回避を余儀なくされたキンは印を結べずに、鈴を結わえ付けた千本を投擲した。
 はじめはそれを弾いたが、しかし彼は鈴のついていない千本がその下で飛んでいたのに気づけず、内一本がその頬を掠る。流れ出た血を看て顔を顰めると、再びキンに向き直った。

「わん!」

 紅丸が背後からザクに襲い掛かり、その首を噛み千切らんとする。クナイで突き刺されそうになるのを間一髪で避け、紅丸は唸り声を上げた。

「犬っころが……調子にのるなよ!」

 投擲された手裏剣を上手く避けて、紅丸は穴を掘り始める。ザクの罵声は気にした風もなく、投げられた手裏剣も回避して、それから紅丸は掘り出した骨を咥えて走り出す。

「なんだあ、食べ物持って逃げようってか?」
「うううう!」

 紅丸は一歩後ろに飛んで、骨をザクの片目めがけて投げつけた。目を押さえて一歩よろめくザクの足に噛み付き、前足でその足を抱え込み、後ろ足でザクを蹴り飛ばす。

「んだようぜえ!」

 振り下ろされるクナイはまたしても回避、こんどはもう一方の足に噛み付く。紅丸なりに、ザクをドスやキンに加勢させないようにと考えた結果だ。キンの千本とはじめの水車輪がぶつかり合い、そして一方ではリーが、両腕に巻いたサポーターを緩めていた。
 走ってくるドスを見据えて、緩めたサポーターを地面に垂らす。師匠マイト・ガイに禁術とされたこの術を解いていい条件が一つだけある。その条件とは、術を発動させていい時、それは――

「――大切な人を、守る時!!」
 
 瞬間、リーがドスの前から消えた。ドスがリーの姿を探す暇を与えず、下方からその顎を蹴り上げてドスの体を宙へと跳ね上げる。なんてスピードなの、とサクラは目を見開いた。 
 そして片手で地面を弾いて跳び上がり、ドスの背後を跳んだ。

「まだまだ!」

 腕のサポーターをドスの体に巻きつけ、縄抜けの術を使用出来ないよう両手を固定。頭からドスともども逆さまに急降下。紅丸を遠くに投げ飛ばして、ザクは印を切った。

「ったく! あれじゃ受身も取れねえ」

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