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魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜賢者の槍を持ちし者〜
Chapter34「舞い降りる影」
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味ティアナが待ち望んでいたものだった。
もしなのはから六課から出ていけと言われることも覚悟している。

「あのね、ティアナは自分の事を凡人で射撃と幻術しかできないって言うけど、それ間違っているからね。ティアナも他の皆も、今はまだ、原石の状態。デコボコだらけだし、本当の価値も分かり辛いけど……だけど、磨いていくうちに、どんどん輝く部分が見えてくる。エリオはスピード、キャロは優しい支援魔法、スバルはクロスレンジの爆発力。3人を指揮するティアナは、射撃と幻術で仲間を守って、知恵と勇気でどんな状況でも切り抜ける。そんなチームが理想系で、ゆっくりだけど、その理想に近づいて行ってる……模擬戦でさ、自分で受けてみて気付かなかった?って、最後のはルドガー君が庇ったんだっけ」

「え?」

だがなのはの話す内容は、ティアナが覚悟していたものとは大きく違っていた。

「ティアナの射撃魔法って、ちゃんと使えばあんなによけにくくて、当たると痛いんだよ?」

「あ……」

なのはの一言で、その場面を思い出し、その時感じた痛みも思い出す。

「一番魅力的なところを蔑ろにして、慌てて他のことをやろうとするから、だから危なっかしくなっちゃうんだよ……って、教えたかったんだけど」

「ぁ……」

「でもやっぱり、言葉で伝えないと伝わらないよね?ルドガー君にも怒られたよ」

やっと知ることができた、なのはの教導の意味。
彼女自身から聞かされ、初めて納得できた。

「まぁ、でもティアナが考えたこと、間違ってはいないんだよね」

ティアナの上着の上に置いてあった、クロスミラージュを手に取る。

「システムリミッター、テストモードリリース」

《Yes》

なのはが何らかの解除コードをクロスミラージュに入力し、クロスミラージュはそれに応える。

「命令してみて、モード2って」

差し出されたクロスミラージュを受け取り、なのはの顔を少し見て、クロスミラージュを右手で構える。

「モード、2……」

《Set Up Dagger mode》

ティアナの命令で、クロスミラージュは輝くと同時にその形状が変化する。
銃身の角度が少し上を向き、銃口からはティアナの魔力光と同じオレンジ色の刃が現れ、グリップ部分から銃身の部分まで輪を形取るかのように光の刃が繋がった。

「これ……?」

クロスミラージュの新形態は、ティアナがルドガーの双剣技を見よう見まねで編み出した短剣形態とは違っていた。

いや、これこそルドガーの双剣技を再現できる形態かもしれない。


「ティアナは執務官志望だもんね?順調に執務官試験に合格すれば、どうしても個人戦が多くなると考えてたから、一応準備だけはしておいたんだ」

「あ……」

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