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魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜賢者の槍を持ちし者〜
Chapter34「舞い降りる影」
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もしない自分の技の一つをほぼそのまま再現したことに、驚くこと以上に嬉しかった。

「えっ…でも……」

「一迅を含めた俺の剣技は、俺の兄さんから伝えられたものなんだ」

「ルドガーさんの…お兄さん?」

「ああ。ティアナを見ていると自分を見ている気がするんだ……」


面と向かっては言えないが、ルドガーはユリウスの事が大好きだった。

たった1人の大切な家族だった。

だからこそ、自分に何も話さず1人で全て背負いこんで、クルスニクの宿命に挑んだユリウスの事を許せなかった。


「俺の剣は兄さんから受け継いだものだ……こうして、兄さんの意志を継いでくれる奴がいてくれた事は、本当に嬉しいんだ」

「あの……もしかして、お兄さんは?」

「ああ……死んだよ」

「……あの、私……」

なんて言葉をかけてよいのかわからない。
言葉を探すティアナの前でルドガーはあの事を呟く。

「いや……俺が…殺した」

「え……?」

自分の失言に気付く。今更遅いかもしれないが何とか別の話しを新たにする事で誤魔化そうとするルドガー。

「何でもない……だがこれだけは覚えておけよ。どこで生きようと、お前はお前だ。何も変わらない……俺のようになる事を目指すのではなく、俺を越える事を目指し、自分の世界を作るんだ」

「あの、私…まだ聞きたい事が!」

自分の横を通り、立ち去ろうとするルドガーを呼び止めるが、既にルドガーの姿は何処にもなかった。

(兄を殺したって、いったい……?)

間違いなくルドガーはそう語った。もし、それが本当ならルドガーは何故実の兄を手にかけたのかという疑問が生まれてくる。ティアナはルドガーの弟子としてではなく、ティアナ・ランスターという1人の人間としてルドガーの事を知りたくなっていた。

「ティアナ」

「ぁ……」

声が聞こえた方角には、任務から帰ってきたなのはが近づいてきていた。

「隣、良いかな?」

「……はい」

真っ直ぐなのはを見ることができない。出動前にどれだけ自分が惨めで馬鹿なことを口にしたか思い出したことから、ティアナは俯いたまま応える。

「シャーリーさんやシグナム副隊長に、色々聞きました」

「なのはさんの失敗の記録?」

「じゃなくて!その……」

「無茶すると危ないんだよ、って話だよね」

場を取り繕おとしたのか、冗談を交えティアナを元気づけようとしたが、やはりそう直ぐには振り切れるものでもない。

「すいませんでした……」

「うん」

少しの間が空く。息苦しいが、これは全て自分が招いた結果であり、仕方ないの事だ。

「じゃあ、分かってくれたところで、少し叱っとこうかな」

それはある意
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