最終話 迎えに来たのは彼女の方ですよ?
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、破壊神の少女シノブが少し驚いたような声を発した。確かに、普段から落ち着き払っていると言うタイプではない相手だけに、その驚いたような声に関しても違和感が有る訳ではない。しかし、それでも何らかの異常事態が発生した事だけは間違いない声、及び雰囲気。
その誰何の声に急かされるように振り向いた美月の瞳に映ったのは……。
一目見た印象は、作り物のように整った顔立ちをした少女。
紫色の……、女性の髪の毛としてはかなり短い目の髪の毛。髪型はやや毛先の整っていないショート・ボブ。淡いブラウンの瞳と銀のフレームを持つメガネ。肌は東洋系と思しき少女に相応しい肌理の細かい象牙色の肌。
身長に関しては、美月とそう変わらない雰囲気。
全体的な印象として、その少女から美月が感じたのは氷の彫像めいた完成された美。但し、同時に氷で有るが故の儚さのような物。
そして、何処かで出会った事が有るような気がする相手。
但し、それよりも何よりも異様なのは、その新たに現われた彼女の服装。
蒼い襟の大きなセーラー服姿。そして、膝上十センチ程のミニスカート姿で有るのも同じ。濃紺と黒の差は有りますが、それでも同じようなハイソックス。更に、革製のローファーと言う部分もまったく同じ。
そう。最初に彼女に声を掛けた破壊神の少女シノブとまったく同じ規格で作られた服装を、その新たに現われた少女は纏って居たのだ。
「成るほど。あんたが、今のアイツの巫女。龍の巫女をやって居ると言う訳ね」
普段から、やや不機嫌そうな口調で有るのは事実なのですが、今回は更に不機嫌そうな口調で、そう新たに現われた少女に対して問い掛ける破壊神の少女シノブ。
但し、何処となくその言葉の中に、既知の人物に対する問い掛けのような物を感じる。
そのシノブの問い掛けに対して、彼女の顔を真っ直ぐに見つめてから、動かしたかどうか判らない微かな動きのみで首を上下させる少女。これは多分、破壊神の少女シノブの問いを肯定したと言う事。
……と言う事は、この新たに現われたセーラー服姿の紫の髪の毛の少女は、ハクの関係者。おそらく、突如、異世界に召喚されて仕舞った彼女を出迎えに来た人物だと言う事なのでしょう。
確かに、普通の人間に異世界を行き来する能力が有るとは思えませんが、召喚されてから以降のハクが示して来た能力は破格の能力。その人間の関係者が、異世界への行き来を可能にする能力がないとは断言出来ませんから。
この世界に居るハクと黒き死に神以外、すべての存在の視線を受けながら、しかし、その新たに現われた少女の瞳はただハクの存在を映すのみ。その他の人物に意識を向ける事はない。
そんな微かな行為。そして、その少女が発する雰囲気にも僅かな既視感。いや、美月はこの少女とも何処かで出会
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