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第六十六話 氷の世界のいざこざ
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レイユは大きなあくびをすると目をさすりながらボソッと誰にも聞こえないような声で呟く。

「・・・ねむっ・・・」

これ以上厄介なことになるのはごめんだ、とソレイユが思っているとトンキーはひゅるるとないてから遙か頭上に見える世界樹の根本に向かって翼をはためかせた。薄暗いヨツンヘイムを螺旋を描きながら上昇していくトンキー。そこから見える景色は残酷でありながらも美しい氷の世界だった。

「うわぁ・・・・・・」

思わず感動の声を漏らすリーファ。ヨツンヘイムは基本的に飛行不可なので空からフィールド全体を眺める事なんてかなわない。反射的にリーファはウインドウを操作して撮影アイテムを取り出そうとしたが、結局拳を握りしめ撮影アイテムを取り出すことはなかった。
すると、突然リーファたちの視界を巨大な氷が覆った。逆円錐形の氷塊とそれを抱え込む黒いチューブ状のもの――世界樹の根っこだった。声もなく目を見張るリーファは逆円錐形の先――尖っている部分――に何か見つけたらしい。目を凝らしても見えないのか短いスペルを詠唱すると、掌に扁平な結晶が現れた。

「何それ?」

「遠見結晶の魔法よ。あのでっかいつららの先っぽに、何か光ってるでしょ・・・」

そう言って先ほど顔を寄せてきたキリトと頬をくっつけるようにして遠見結晶のレンズをのぞく。

「うばっ!!」

「・・・なぁ、リーファって本当に女?見る限り色気とか皆無なんだけど・・・」

乙女らしからぬ声を上げるリーファにソレイユが思わずツッコんだ。だが、今のリーファにそんなことはどうでもよかった。

「せ・・・《聖剣エクスキャリバー》よ、あれ。前にALOの公式サイトで見たもん・・・ユージーン将軍の《魔剣グラム》を越える、たった一つの武器・・・今まで所在もわからなかった、最強の剣」

「さ、最強・・・」

リーファの言葉にキリトは唾を呑み込むが、ソレイユは
さほど関心がないのか特に反応を見せなかった。

「ふぅーん」

「・・・なによ、ソレイユ君は気にならないわけ?」

その反応が面白くなかったのかリーファはソレイユにそう聞いてみたところ――

「もう持ってるし、伝説級武器」

レーヴァテインを巻きつけてある左手を掲げて見せると、リーファは言葉に詰まって何も言えなくなってしまう。

「で、でも、最強の剣なのよ!」

「そんなもの技術でどうとでもなる」

「それは、にぃにだから言える台詞だと思います・・・」

ユイが何か言っているがソレイユは特に気にした様子はない。そんなことを話しているうちにトンキーが≪聖剣エクスキャリバー≫が眠っているであろうダンジョンからのびるバルコニーに接近していた。バルコニーに飛び移れば≪聖剣エクスキャリバー≫を入手できるかも
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