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第六十六話 氷の世界のいざこざ
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ットに最上級幻属性魔法をセットすると《インビンシブル・インビジブル》を発動させ、ウンディーネたちの死角へと回り込み――

ヒュインッ

という風切り音を鳴らしながら刀を数度振るう。当然ながら警戒もせず死角から急所をねらった攻撃にウンディーネが対処できるわけもなく、無惨にポリゴン片となって砕け散った。

『・・・・・・なっ!!?!?』

いきなりの仲間の消滅に理解が及んだウンディーネたちは驚き、キリトたちも唖然としてる。音のしたほうへと視線を向けると無造作に刀を構えるソレイユの姿があった。

「あ、あんたもこいつらみたくイカレてんのかよ!?」

小型の弓を携えるウンディーネがヒステリックに叫ぶ。それに対して、ソレイユは首を傾げながら口を開いた。

「・・・このゲームって確かPK推奨だった気がするんだが?あと、背中が無防備すぎ。後ろからの奇襲にも備えておくべきだと思うぜ」

そう言うと一拍おき、さらに言葉を続ける。

「それとも、ヨツンヘイムではPKしてはいけません、ってルールでもあるのか?おれは聞いたことがないんだが」

当然ながらそのようなルールはなく、マナーとしても定められていない。そのことに何も言い返すことのできなくなった小型の弓を携えたウンディーネは怒りで拳をわなわなとふるわせながら仲間に向かって感情むき出しで怒鳴る。

「くそっ!邪神の前にいつらを殺るぞ!!」

その指示を受けると魔法の詠唱を開始するメイジ隊。盾を構える壁役プレイヤー。回復の詠唱を始める後方支援隊。キリトとリーファも迎えうとうと武器を構えるが、ソレイユは武器を構えずのほほんと言った。

「おれらを相手するのはいいけど、大丈夫か?」

ソレイユがそう言うと、先ほど丸くなって硬くなってしまったトンキーからとてつもなくまばゆい純白の光が迸った。次いで、くわあぁんという甲高い共鳴音とともに環状に放たれた白光がウンディーネたちを包むと、詠唱中だった魔法が煙となって消えていった。

『なっ!?』

「・・・・・・」

なにが起こったのか理解できず、キリトやリーファ、ウンディーネたちは凍りつく。ただ一人、ソレイユだけは冷静に事の成り行きを見据えている。
ソレイユたちの視線を受けながら、亀裂を白い輝きで満たしたトンキーの胴体は硬くなっていた殻の部分がはがれ落ち、光の塊が姿を現す。新たに姿を現した光の塊から、螺旋状の尖塔のようなものが見上げるほど高く伸び上がっていく。

「ふぅ・・・」

一息つきソレイユはなにが起こっても対処できるようにウンディーネの一団から少し離れる。そばにいたウンディーネたちは螺旋状の尖塔に目を奪われているため、ソレイユが離れたことに気がつかない。ウンディーネの集団から数歩離れてから改めて螺旋状の尖塔に
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