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もしもこんなチート能力を手に入れたら・・・多分後悔するんじゃね?
12番目のサイコドライバー
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門をこじ開けようとしている。それを間違っていると言えるのは、きっと貴方しかいないから―――」


「盛り上がってる所悪いけど、それってアンタが一人で行かなきゃいけ理由にはならないんじゃないの?」

雰囲気を崩すように不満げな顔が割って入る。アルフだ。先ほどから黙っていたリニスも、そして俺もいう事を言うために前へ出る。

「いえ、心配無用です。私が見届け人としてついていくので」
「全く今更気取っちゃって・・・ほらこれ、万が一の時のための護陣符。もっときなよ」
「ちょっと、何よそれ。私の実力が信頼できないワケ?」
「信頼してるから万が一が起きてほしくないんだよ。お・か・あ・さ・ん?」

人って奴はいつ死ぬか分からない。例えプレシアが無限力を理解しそれを引き出す術を持っているからと言って、それで無敵になるわけではない。ほぼ治っているとはいえ体も心配だし、思わぬ油断で深手を負ってしまうかもしれない。
IFのことなんていちいち考えていてもきりがないが、それでも心配になる物は心配になるのだ。だって―――

「家族として、心配すんのは当たり前だろ」
「そうですよ、プレシア。例え誰ひとり血が繋がっていなくとも、私達は家族です」
「最初はちょっと抵抗あったけど・・・今ならあたしもアンタを心配する気持ちくらいは持ち合わせてるんだよ」
「だからお母さん。私たちの気持ちも少しは分かってよ。ね?」

口々に放たれた言葉にプレシアはしばし沈黙し、すこし呆れたように溜息をついた。

「・・・うん。分かった、その代り貴方達も怪我しないようにね?・・・さ、行くわよリニス」
「はい」

俺、フェイト、アルフはそれぞれ顔を見合わせ、転送魔法で海鳴市へと行く準備を始める。
俺はこの件の元凶を断つために。フェイトは自分の残滓を救うために。アルフは・・・付添い?
とにかく、それぞれがそれぞれのやるべきことに向けて進む。
皆それから発した言葉はたった一言だった。

「「「「「行ってきます」」」」」

とっとと用事を終らせて帰ろう。そんな思いを胸に抱き。




・・・冷静に考えたらいつぶりか分からないほど久しぶりの外出だ。母ちゃん、俺外に出てみるよ・・・
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