第80話 少年は師匠と出遭うようです
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ゃうんだよね。しかもその後一週間使えなくなると来た。」
「使い処ミスったら探索出来んようなるっちゅー事か。完全無欠の万能アイテムなんざそんな出ぇへんわな。」
確かに敵に見られでもしたら危険だけど・・・もう構ってもいられない時間だ。
決勝大会まで約一ヵ月、ただ過ごして報を待つには短い。
「朝倉さん……すみません。よろしくお願いします!」
「あたしも着いてくよ!戦いになったら、あたしのが大分強いし。」
「うぅん、そうですね。一人旅ってのも危なすぎますし。戦闘になりそうなら、とにかく逃げてください。
脇目も振らず全速力で、です。」
「よーっく分かってるよん。私達の目的はあくまで"地球に帰る"事だからね!
行くよまき絵、直ぐに出るよ!」
「さー、いえっさー!あ、コタ君、お金お金!」
「タカってるようにしか見えへんぞ姉ちゃん……。これでファイトマネー半分以上ふっとぶんやぞ。」
財布を預かっている小太郎君(ああ見えて一番お金を管理できる)からチケット代その他分を掻っ攫い、
二人は元気に走って行った。僕は・・・僕はどうしたら―――
「ンなもん考えるまでも無いやろが!」
ゴッ!
「あぶっ!え、なに!?」
「だから顔にしっかり出てんだよ先生は。あの筋肉達磨に修業つけて貰いてぇんだろ?」
「構わんで行けや。登録しとれば、大会の方は出るのは一人だけでええらしいからな。
決勝大会の出場権くらい、ワイ一人で取ったるわ。」
残った二人に表情を読み取られて唖然としてしまう。他の参加者を見るに小太郎君だけで十分だろうけど。
と言うか、小太郎君は僕より強いんだけどさ・・・。
「ごめん、小太郎君……。僕はばぁっ!」
「グッダグダうっさいねんお前は!相変わらず!やりたい事があんなら、男なら即断即決が基本やろが!
ずっと探しとった親父の仲間に稽古までつけて貰えるんやろが。どぉせやるんならワイに追いつくぐらいは
して貰わんと困んねん!!」
「小太郎君……ありがとう!僕頑張るよ!」
「おおよ、期待してんで!」
拳を合わせ、小太郎君と分かれる。・・・・・そう言えば、どうして小太郎君は僕らについて来たんだろう?
結局ここまで聞かないできちゃったな・・・。
まぁ、今は置いておこう。僕が気にするべき事は・・・ラカンさんの弟子になって、強くなる事だ!
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