反董卓の章
第8話 「…………ここまでアホだったとは」
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ここ、陣地だよ? そういう場所じゃないでしょ?」
「も〜盾二ったらあ。照れちゃって、かーわーいっ♪」
「人の話聞こうか、雪蓮!?」
お兄ちゃんにもたれかかるように、孫策お姉ちゃんが身体を寄せているのだ。
にゃー……調子でも悪いのかなー?
「ええい! そこまでだ!」
突然の大声とともに、お兄ちゃんに抱きついている孫策お姉ちゃんに槍が突きつけられる。
その槍を持つのは、珍しく怒気を露わにした星だったのだ。
「あら? 新しい臣の子? 見たことないわね」
「我が名は趙子龍! 常山の昇り龍にして、劉玄徳の矛である! だが、我らの主であるご主人様になんという無礼なことを!」
「あら、盾二と私は、彼が義勇軍を率いていた頃からの仲だもの。真名も預けているし、あとから来た子にそんなこと言われる筋合いはないわよ?」
「何を言うか! 主との付き合いの長さは私のほうが上だ! 私は義勇軍が発足する半年以上前から主と縁を結んでいる! 公孫賛の四客将の名を知らんのか!」
「知らないわよ、そんなの。そうなの?」
「ま、まあ、一応な。白蓮……公孫賛の元にいた時に世話になったんだ。義勇軍を立ち上げた時にも世話になったし、陣営に誘いもした」
「え〜……盾二、意外に手が早いんじゃない?」
不満そうな孫策お姉ちゃんの声。
その顔に、ふふんと得意気になった星だったのだ。
でも……
「まあ、時間なんか関係ないわよね? 盾二は私の旦那様だもの」
「な、なにぃ!?」
孫策お姉ちゃんの言葉に、更に真っ赤になる星。
やー……そういや、宛にいた時の愛紗と孫策お姉ちゃんのやりとりを見ているみたいなのだ。
「はわっ!? そ、そそそ孫策さん、やっぱり敵! 敵です!」
「あわわ…………や、やっぱり宛にいる時に一服盛っておくべきでした」
朱里はともかく、雛里ー?
なんか怖いこと言ってる気がするのは気のせいかー?
「ふ〜ん……孔明ちゃんも鳳統ちゃんも、まだ『女』になってないのね。これはまだまだ私にも好機があるかも……」
「ええい! そこになおれ、孫伯符! 私が相手になってやる!」
「あら……趙子龍とか言ったわね。やる気?」
「おうとも!」
星と孫策お姉ちゃんの間でバチバチと火花が飛んだのだ。
と――
「ええい! いい加減にしろぉ!」
「きゃん!?」
お兄ちゃんが孫策お姉ちゃんの腕を解いたと思うと、その頭にゴンっと鉄拳を放ったのだ!
「いったぁ〜い!」
「わわ! ご、ご主人様!?」
その様子に、みんながびっくりして動けないのだ。
鈴々もびっくりしたのだ。
まさか、あのお兄ちゃんが女の人の頭を殴るなんて、初めて見たのだ!
「フン! 俺だって怒るときは怒る
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