反董卓の章
第8話 「…………ここまでアホだったとは」
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私は逆に、孫策さんの処には後で、ご主人様と一緒に後で行く予定だった。
周辺の挨拶は終わり、私も自陣の天幕へと戻る。
そこでは愛紗ちゃんが待っていた。
「桃香様。大天幕より袁紹の指示書が来ております」
「ありがと、愛紗ちゃん」
書状を受け取る。
さすがに総大将をあれだけ熱望していたんだし、さぞかし練りに練った作戦が書かれているはず。
そう思って、封を開けると――
「――へ?」
「桃香様? どうされましたか?」
「……愛紗ちゃん。これ、本当に袁紹さんからの指示書?」
「は? はい……確かに金の鎧の袁紹軍の伝令兵でしたが」
「………………うそ、でしょ?」
「いえ、あの……一体、何が書かれているのですか?」
「……見る?」
「よろしければ」
私の様子に、訝しみながら書状を受け取る愛紗ちゃん。
そしてすぐに――その肩がプルプルと震えだす。
うん、そうだよね……
「な、なんだ、これは!?」
「にゃ? どうしたのだ?」
「何を叫んでおるのだ、愛紗……おお、桃香様。お帰りなさいませ」
鈴々ちゃんと星ちゃんが天幕に入ってくる。
二人は、兵の慰撫と見回りをしてくれていた。
「うん、ただいま…………袁紹さんから書状が来たんだけど、ね」
「ほう……ということは、よほどひどい作戦を押し付けられましたか」
「にゃー……お兄ちゃんが先陣を自分で引き受けたし、それは仕方ないのだ」
二人は覚悟していた、という顔で頷く。
うん、そうだよね。でも違うんだよ……
それ以下の話だった。
「……星、それに鈴々よ。そういう段階の話ですらないのだ、これは……桃香様。二人に見せても?」
「もちろんいいよー…………というか、その内容で秘密にもなんないし」
「ですね……よく見てみるがいい」
そう言って愛紗ちゃんから、二人へと書状が渡される。
その内容は――
「雄々しく、勇ましく、華麗に進軍せよ…………は?」
「これだけ……しか書いてないのだ。なんなのだ、これは?」
「……それが作戦の指示書だって」
「「 はあ? 」」
二人がすっとんきょうな声を上げる。
思わず私は頭を抱えてしまった。
「桃香様、お気を確かに」
「へ? あ、うん……なんていうか、不安すぎて目眩が……」
「……お気持ちはわかります」
だよねだよね?
さすがに私だってこんな作戦は――
「にゃー……まるでお兄ちゃんと会う前のお姉ちゃんみたいなのだ」
なんですと?
「鈴々、言うに事欠いて何を言う! さすがにあの頃の桃香様でも、これだけひどい作戦など考えもしないぞ!?」
「にゃ、ごめんなのだ。そういえば、もうちょっといろいろ考え
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