反董卓の章
第8話 「…………ここまでアホだったとは」
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刺しにするよりは効率がいいだろ?」
「馬刺し?」
「馬の肉。とはいえ一食分にしかならないだろうし……売るほうが合理的だな」
「………………」
馬…………食べるんですか?
「金も持ってきているけど、余分な糧食の消費は避けたいからな。帰りの人数によっては、荷の量に応じて馬を売却してもいいだろ。その辺りも考えておいてくれ」
「…………御意」
私は頷きつつ、ちょっと冷や汗が出ています。
お馬さん…………食べたくないです。
「糧食は馬正待ちだな。定期的に伝令は出しているんだろ? 移動するようになったら再度出しておいてくれ」
「御意です」
「さて……周辺のほうは?」
「えと、諸侯の軍勢ですが、袁紹が三万、袁術が一万五千、孫策軍五千、曹操軍八千、鮑信以下、諸侯は二千から五千ですので……合計しますと五万弱になります。公孫賛さんが五千、劉表さんが一万五千、我々の二万五千を入れますと、約十五万弱となります」
「……朱里の予想通りか」
そう言って朱里ちゃんを見ると――
「えへん」
『どうだ』とばかりに胸を反らせる朱里ちゃん。
さすがだね、朱里ちゃん。
そんな朱里ちゃんの頭に、盾二様の手が置かれました。
「偉い偉い」
「はうっ! じゅ、盾二様……」
そして朱里ちゃんの頭をなでなで………………むぅ。
「じゅ、盾二様! そ、それで董卓軍の方ですが……情報では十五万とも二十万とも言われています。ほぼ拮抗か……逆に上です」
「ふむ……兵法の大原則である『敵より多くの兵を集める』ということが果たされていないわけか。しかも相手は守備側…………袁紹はどうするつもりだ?」
「ここで随分時間つぶしたわけですし……多少は考えがあるとは思うのですが」
「なければただの馬鹿だろうしな」
そう言って盾二様は笑い…………その笑いが引きつった。
「…………まさか、な」
「盾二様?」
「いや、ここで総大将を決めるのに何日もかけるような馬鹿……とは言え、まさか、なあ」
「ええっと……」
「えと……」
私と朱里ちゃんが互いを見合わせます。
そして盾二様を見ると……
さっきまでの笑いが、逆に苦虫を潰したような顔になっていたのでした。
―― 劉備 side ――
袁紹さんの大天幕を出てから、およそ一刻ほど。
ご主人様は、朱里ちゃんや雛里ちゃんたちと兵站の確認と情報の総括を行っている。
その間、私と劉表さんは陣周辺の諸侯へと挨拶していた。
とはいえ……曹操さんや孫策さんの所には行っていない。
劉表さんは曹操さんはともかく、孫策さんには会いたくないらしい。
仲が悪いのかな? とも思ったけど、よくわからない。
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