反董卓の章
第8話 「…………ここまでアホだったとは」
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も、できるだけ生かして帰すことを念頭に入れるさ。そのために医療品も揃えさせたんだ。強い酒は飲ませるために大量に持ってきたわけじゃない。それより馬の糧食の方はどうだ?」
「そちらも順調に減っています。現状、大分軽くなりましたので、行軍速度は更に上げられるかと思います」
輜重隊は補給物資を載せた隊です。
劉備軍では行軍時、一般兵である第三軍が臨時の輜重隊にもなります。
一般的には糧食を運んでいるだけと思われがちですが……
陣構えの天幕や柵を立てるための丸太、予備の武器や矢盾。
戦闘で負傷した人を治療するための消毒薬と軟膏などの医療品もあります。
そうした大量の補給品は、人力のみだと行軍の遅れになるため、盾二様の発案で馬車にして馬に牽かせています。
荷車一台につき、馬一頭と人力四人。
当然、その馬も補給物資であるわけで、武将の方が乗る馬の代用だったり、臨時編成時の騎馬隊にもなります。
一石二鳥の輜重隊の案。
劉表さんは、うちの輜重隊を見て、途中から騎馬で輜重隊を編成したりしていましたが……馬車の組み立てに二日もかかって余計に時間がかかったりしました。
その間に新野で商人から糧食を補充したり、一部の輜重隊を護衛をつけて先行させたりもしたのですが。
泥縄式に馬車を仕立てる劉表さんの姿。
それを盾二様に言わせると……
『なんで輜重隊に馬使わないんだよ』
ということらしいのですが。
馬自体が一頭四〜五千銭するのです。
そして馬が一日に食べる食事の量は、二十人前。
飲む水も十人前か二十人前。
馬百頭で兵二千人分の糧食が必要になります。
だからこそ、諸侯も馬はあまり使わないのです。
それについて盾二様が言うには。
『飯は大豆や大麦、あとは道中の草でいい。褒美という意味で人参を用意しておけばかなり働く。それらを含めて算用すれば、糧食は多めでも人の十倍程度で済むはずだ』
とのこと。
そのため、輜重隊に使わせている馬三千頭、及び第三軍の一般兵が総出で運んでいるのは、兵用の糧食が『二ヶ月分』で二万俵、馬用の大豆や大麦などの馬用糧食が、『一ヶ月分』で一万二千俵になります。
馬は元々消耗品としているので、帰りの算用はしていません。
それでも大量の糧食が必要になります。
だからこそ、盾二様は馬正さんを梁州に残して、追加の補給隊を準備させているのです。
「現状で騎馬隊を使うつもりはないからな。どの道、拠点攻めに馬は使えないし。運ぶ荷がなくなったら策に使うか、近くの街で売るか……」
「売れるといいんですが……」
「ま、それは糧食に余裕がなくなればな。街の厩舎であれば、売れるだろ。物々交換で糧食を仕入れられればいいんだが……馬
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