反董卓の章
第8話 「…………ここまでアホだったとは」
[12/15]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
「い、いえ! 冗談です!」
そう、冗談なのね?
本気だったら、さすがに殺していたわよ?
「うう……すいません」
「ふっ……姉者。これに懲りたら嘘か真かわかりづらい言動は慎むことだ。それで華琳様……」
「ええ、基本方針に変更はないわ」
この連合に参加した目的。
一つは諸侯の軍事力を図る。
もう一つは……あわよくば天下に名を示す。
これが私のこの連合に参加した理由だった。
「御意。では袁紹の指示は無視致しましょう」
「そうね……桂花、腹案はあって?」
「はい。進軍の状況でいくつか案がありますが……秋蘭、各軍の配置はどうなっているのかしら?」
「袁紹は中軍やや後方……それを本陣にするようです」
「ほお。後陣にさがらないのか。袁紹もなかなか――」
はあ。
春蘭、あなたね。
「どこがよ! 中途半端なだけじゃないの! 後ろなら後ろ、前なら前! じゃなきゃ各軍の邪魔になるだけよ!」
「まったくだな……一番兵力のある袁紹が真ん中に居座っているのでは、どう動くにも邪魔になる。普通は左右どちらかの後方に位置してもらいたいのだが……」
「それか前で玉砕すればいいのよ! どうせ兵力しか役に立たないのだから! 温存したって糧食は減るし、軍事的価値なんて陽動ぐらいにしかならないのよ!? なのに行軍を一緒に、なんて何考えているのよ!」
桂花の言うとおりね。
せめてその兵力で単独で陽動でもしてくれるなら、諸侯も動きやすいのに。
戦わない兵力なんて、ただの遊兵。いえ、それ以下ね。
糧食を減らすだけの存在なんて、なんの意味があるのだか。
「その空気の読めなさ、そして戦略、戦術眼のなさが麗羽の麗羽たるところよ。それで?」
「はい……本来はその周囲に鮑信ら諸侯が配置される予定だったのですが……」
秋蘭が言いよどむ。
予定、だった?
「どうしたの?」
「……劉備と劉表が袁紹に進言しました。鮑信ら諸侯は陽動として南北の関に偽兵を仕掛けると」
「そう……さすがね」
麗羽が動かないからこその次善の策。
数千程度の小さな勢力の寄せ集めなんて、本来は余程の統率がなければ上手く機能なんてしない。
せいぜい各個撃破の良い的でしょう。
そしてそれら諸侯も、あわよくば兵力を損耗したくないはず。
そこを見抜いた上で、効率よく運用するなら……
陽動の一端を担わせるのが一番なのだから。
「南北にそれぞれ五万の兵がいると見せかける偽兵を仕掛けるようです。そして手薄になった虎牢関に、劉備と劉表が先陣で攻撃を仕掛けるとのこと」
「そう……虎牢関に行くのは?」
「劉備と劉表の他には、袁紹と袁術、その配下の孫策軍、劉虞の代理である公孫賛、そして我々。さ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ