反董卓の章
第8話 「…………ここまでアホだったとは」
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ゃない。
一体、誰が?
……可能性があるとすれば、曹操かしら?
「まあ、確かに推挙で決まった。袁紹を推挙したのは……劉表だ」
!?
「劉表!? 母様の仇じゃない! すぐに……」
「口を慎め、雪蓮! 堅様は劉表を恨んではいなかった! 実質の仇は黄祖であり、それを利用して呉の地を奪った袁術だろう!?」
「なによ、冥琳! その黄祖は劉表の部下だったじゃない! 間接的にとはいえ、劉表も仇よ!」
「……それについては堅様にも非はある。袁術の甘言に踊らされたのだ」
「冥琳!」
なんでそんなこと言うのよ!
「お前も知っているはずだ! 堅様を豫州刺史に推挙したのは、劉表だった! 堅様は、それを知らずに袁術に騙されて、着任したばかりの劉表のいる荊州に侵攻してしまったのだ! 全ては堅様の土地を奪おうとした袁術のせいだ!」
「でも……でも……」
「もう何度も話しあったはずだぞ、雪蓮。我々の仇は袁術、そして実際に堅様を殺した黄祖だ。劉表殿は……むしろ堅様の名誉を守ろうと奔走されていたと、お前も知っているはずだ」
「………………」
わかってる……わかってるわよ!
でも……でも……
「黄祖は江夏太守……だが、今では劉表からも独立している。いずれは共通の敵として劉表と共闘もできよう。後はお前の心次第だ」
「………………」
母様……
「ふう……最悪、連合にいる間は自重してくれ。劉表は連合内でも発言権が高いのだ。あの袁紹ですら、劉表には遠慮する素振りがある。なにより……劉表は先陣まで自分で引き受けた。自分から申し出てな」
「!? 先陣!? なんでよ!?」
「………………」
?
冥琳にしては珍しく口ごもっている。
もしかして……
「冥琳、何か隠してる?」
「!? な、何故だ」
「勘よ、カン。冥琳が私に対して口ごもるなんて、後ろめたいことがあるときでしょ? 何を隠しているのよ…………言いなさい。大抵のことはもう、驚かないから」
「……………………ふう」
冥琳は深く溜め息をついて、参ったと手を上げた。
「実は先陣に名乗りを上げたのは劉表だけじゃない。同行者がいたのだ」
「同行者?」
「劉備」
「!?」
劉備…………あの子が来ている!?
ということは…………まさか!?
「先陣をきりたいと劉表と劉備に言わせたのは、ほんご――」
わたしは、冥琳の言葉を最後まで聞くこともなく走りだす。
わたしの背後で冥琳が何かを叫んでいるのが聞こえた。
でも、わたしは止まらない。
だって…………二年ぶりなんだもの!
―― 鳳統 side 許昌近郊 ――
「はあ……まったく。一時はどうなるかと思
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