反董卓の章
第8話 「…………ここまでアホだったとは」
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―― 孫策 side 許昌近郊 ――
あ〜あ……退屈。
全く、いつまでくだらない話を続けるのかしら。
総大将なんて、さっさと自分で『やりますわ』の一言で済むでしょうに。
それをネチネチネチネチ、くだらない話で先延ばしにして、誰かに推薦させようだなんて……
さすがに『あの』袁術の従姉妹だけのことはあるわ。
まったく、どうしようもない馬鹿。
こうしている間に、董卓陣営は着々と兵力をかき集めて防備を固くしているはず。
ただでさえ袁術が南からの進軍を拒んだせいで、東か北の関を抜ける羽目になったのに。
ここからの行軍日数と手間を考えると……
やはり東の関からになるのかしら。
あそこは虎牢関があるのよね…………かなりきつい戦いになりそうな予感がする。
それもこれも全部、あの袁術の馬鹿のせい。
まったく……
あーあ。
こんな時に盾二がいてくれたらなぁ……
きっと彼のことだから――
『俺が先陣で突っ込む! 雪蓮は俺の後ろについて来い!』
なんて…………うふ、うふふふふふふ!
で、二人で狂おしいほどに暴れに暴れて!
その興奮のまま、閨で激しく…………
きゃー、もう、キャー、キャー!
「おい……伯符様の病気がまた出たぞ」
「二年近く前から、一人になるといつもこれだよ。俺はもう慣れた」
あ…………
はっと気づいたわたしが、ちらりと振り返る。
そこにいた兵士の二人は、わたしの視線を避けるように後ろを向いた。
…………またやっちゃった。
やっぱり欲求不満なのかなー?
最近じゃ冥琳も忙しくて閨に来てくれないし。
賊の討伐で発散したくても、若手の訓練だーって、冥琳が許してくれない。
そりゃ、蓮華とか思春とか明命とかに、実戦経験積ませるのは大事よ?
でも、たまにはわたしが率いて暴れたいじゃない?
だから今回、袁術がいない間に蓮華たちが挙兵の兵集めをしているこの時こそ、その好機だと思っていたのに。
あの袁紹の馬鹿のせいで、いつまでたっても戦えない。
そりゃ、長引いてくれたほうが、蓮華たちが動きやすくなるって利点もあるけど……
「あーもう! うちだけで関に突撃しちゃおうかしら?」
「何を馬鹿なことを言っているんだ、お前は」
あら?
いつの間にか後ろに冥琳が立っている。
「今日はずいぶん早いじゃない……袁紹がとうとう諦めて『自分でやるー』とか言ったの?」
「言うわけがないだろう…………だが、総大将は袁紹と決まった」
「え? じゃあ、誰かがしびれを切らして推挙しちゃったの? かわいそー」
じゃあ、捨て駒決定じ
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