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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第174話】
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持たないとね?」
「……未来が帽子好きすぎなんだろ? ベレー帽とかどんだけあるんだよ」
「……いっぱい?」
少し考え、出た答えがいっぱいということは、数を数えるのが億劫なのだろう。
「……まあいいや、何にしてもベレー帽似合ってるもんな? さて、次は美冬からのプレゼント〜」
袋を開けて取り出すと、中に入っていたのがサングラス……。
「……二人して俺をがらの悪い不良にする気か?」
「そ、そんな訳ないじゃん。 お兄ちゃんがかけたらカッコいいと思って」
取り出したサングラスのレンズは、まさかの赤でこれをかけてさっきのニット帽被ればパッと見不良にしか見えない。
「……まあ、大事にするよ。 しかし、美冬は今年も【何でも言うことを聞く券】をくれるのかと思ったぜ」
「ぶー。 いつまでもそんなの贈れないよ〜。 それに、お兄ちゃん一枚も使わないじゃん」
軽く頬を膨らませ、見上げる美冬は一枚も使わない俺に不満を垂れた。
「いや、使い道無いだろ? 何でもって言っても美冬にも出来ないことあるし」
「そ、そうだけどさ。 ほら、マッサージとかご飯とかあるじゃない?」
「成る程、なら今度マッサージしてもらうかな」
言うと驚いた表情を見せ、何故か少し頬を赤くしながら――。
「な、なら今度マッサージしてあげるからシャワー浴びといてよ? ……あ、汗くさいと嫌だし」
「わかったよ。 ……さて、そろそろ戻るかな」
言って立ち上がると皆から貰ったプレゼントを抱える。
ラウラのナイフは危ないので腰のベルトにホルスターを着けたが……。
「もう遅い時間だもんね。 ……ヒルト、抜け出すって言ってたけどもういいからね? ……昨日、もぅ先に済ませちゃったもん……」
「う……? ……あ、あぁ……」
未来の言葉に、昨日したキスを思い出して顔が赤くなる。
未来も思い出したのか顔が真っ赤だった。
「……ん。 美冬、未来、おやすみ。 また明日教室でな」
「うん。 お兄ちゃん、おやすみなさい」
「ふふっ。 遅刻しないようにね? ヒルト、おやすみなさい」
その言葉を聞き、俺は手を振って部屋を後にする。
時間は10時を回っているからか、通路には人が疎らに居た。
主に飲み物を買いに行く子達だろう。
……誕生日、なんだか今年は楽しかったな。
去年とは違い、女子に囲まれての誕生日だからだろう。
去年の俺だとまず考えられない状況だがな、これが。
軽く欠伸をしながら、貰ったプレゼントを大事に抱えて俺は自室へと戻っていった――。
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