3日目
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りますよっと」
軽い掛け声とともに振り上げられる巨大ハンマー。
「おにーさんが悪いんですからね。えい!!」
ドスン!!巨大なハンマーが振り下ろされる音が周りに響く。
間一髪のところで正気に戻れた私は、すかさず彼女から距離をとった。
「む、危ないではないか!!いきなりハンマーを振り下ろしてくるとは君は一体どういう神経をしているのかね」
「そんなこと、人の事を無視する人に言われたくありませんよーだ」
べーと舌を出しながら答える彼女。
「無視をしたのは悪かった。謝ろう」
「わかればいいんですよ。わかれば」
胸を張って言われてしまった。
確かに、無視をし続けた事は完全に私の落ち度だ。
しかし、だからと言ってハンマーを振りおろしてくるのはどうなんだ?
もしかして、あれがこの世界での当たり前の行動なのだろうか?
だったら嫌だぞ、こんな世界。
そんなどうでもいいような事を悶々と考えていると少女が口を開いた。
「本題に入ってもいいですか?」
「あ、ああ、よろしく頼む」
「で、結局、お兄さんはこんなところで何をやってるんですか?」
それは、私が聞きたいよ。
まず、自己紹介をしていなかったので自己紹介をした。
その後、お互いがここにいる理由を説明しあった。
彼女がここに来たのは、モンスターを討伐するためらしい。
見た目、中学生ぐらいの少女が一体どんなモンスターを討伐するのだ。
そう思い聞いてみたところ、「むー、私こう見えても十八歳です!!立派な大人ですー!!」と怒られてしまった。
どんなモンスターなのかね?と尋ねたところ、怪鳥イャンクックです。そう言って、張り紙を見せてきた。
そこには――“討伐依頼”怪鳥イャンクック――とでかでかと書かれていた。
しかも、偶然かどうか知らんが、昨日倒した鳥と非常に姿形が似ていた。
私は辺り触りのないように道に迷った旅人だと説明した。
その時に、へー、こんなところまで迷い込むなんておっちょこちょいなんですね、お兄さんって。と軽くバカにされた。
それから、彼女は今このテントの中にはいない。
どうやら、イャンクックを倒すには夜間に行った方が討伐しやすいらしく、さっき身支度を済ませ出かけて行った。
たぶん明日、かなり早く戻って来ると思われるので、今日は少し早めに寝ようと思う。
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