3日目
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…ふぁふぇます?あっふぇもひょっとだけふぇひゅよ」
少女が喋る。しかし、口の中に食べ物がいっぱい入っている所為でなにを言っているのかまったく理解できなかった。
「とりあえず、口の中にあるものを飲み込んでくれないだろうか?」
何が言いたいのかまったく解らんと彼女に言うと彼女はコクンと頷いた。
彼女が口の中のものを咀嚼する音だけが周りに響く。
それを聞きながら彼女が食べ終わるのを待つ。
「………ゴクン。はむ………んぐ、んぐ、んぐ」
一端停止したかと思ったが、また、周りに響く咀嚼音。
ここで、ふと違和感に気付いた。
口の中の食べ物を飲み込むだけなのにかなり時間がかかってないか?
まさか、と思い口を開きかけたその時、
「んぐ、んぐ、んぐ………ゴクン。ん〜〜、美味しかったです。ごちそうさまでした」
彼女はそう言って手を合わせた。
「ご、ごちそうさまって。もしかして君はそれを全部食べてしまったのかね?」
もしかしなくても私の夕食を食べてしまったのだろう。
こっちを向いた彼女の顔が十分に語っていた。
「はい!!おいしかったです!!」
そう、満面の笑みでこたえる少女。
そうか、やはり食べてしまったのか、私の夕食。
口の中にある物を飲み込めと言っただけなのに、まさか全部食べるとは。遠慮のかけらも無い少女だ。
でも、まあ、うまかったって言ってくれてるし、それはそれで良かったのか?
………いや、なんでさ。そもそも、彼女は誰なんだ?なぜ目の前でオレの夕食を食っている。
そんな事を悶々と考えていると、彼女は立ち上がり、ん〜〜と体を伸ばし一言。
「さて、お腹一杯もになったし、一狩り行きますか!!」
パチン!!彼女が頬を両手で叩く音が周りに響く。
そして、傍らにあったハンマーを担いだ。
ん?担いだ?
どうやら空腹の余り、幻覚を見ているようだ。
あんな細身の少女が人一人を簡単に潰せるような巨大なハンマーを担ぐなんて信じられん。
これはきっと、空腹が見せる幻覚に違いない。
ほら、今まさに私の腹からぐーという音が聞こえているじゃないか。
「あれ?お兄さんこんなところで何してるんですか?おーい」
例え、目の前の少女がピョンピョンと飛びはね、私に手を振っていても幻覚に違いない。
というか、私がそう信じたい。
一体、どこの世界に巨大なハンマーを軽々と持ち上げる少女がいるのだ……………いや、一人いた。
きっと、どこぞの騎士王なら軽々とやってのけるだろう。
なるほど、ここにきてやっと分かった。
どうやら私は疲れているようだ。今日は早く寝てしまおう。
と、思いテントへと踵を返す。
「う〜、無視ですか?そうなんですか?だったらこっちにだって考えがあ
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