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弓兵さんの狩人生活
2日目
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姿形は、どことなく鶏を連想させた。しかし、明らかに大きすぎる嘴や顔の周りを覆っているエリマキのような耳、体を覆っているのが体毛ではなくピンク色の堅そうな鱗であったりと中々ユニークな鳥だった………


―回想開始―


偶然、草原地帯を通りかかった時に遭遇したその鳥は、私を見たとたん、突然奇声を発しこちらに向かって突進してきた。
突然の事過ぎて理解が追いつけなかった私は、踵を返し全速力で逃げる事にした。
草原地帯から森地帯へ、森林地帯から崖の方へ、崖からまた草原地帯へととにかく逃げ回った。
唯一の救いは、今日の早いうちにここら一帯の地形を把握出来ていたことであろう。
だが、逃げれども逃げれどもなぜか鳥はついて来た。
しかも途中から、口から火の玉を出しながら追いかけてくるようになる始末。
さすがに、このままいってはじり貧だろうと思った私はこのユニークな鳥と戦うことを決めた。
走っている状態からいきなり急停止をかけ真上へと跳躍。
すぐさま、剣を投影し、目標を失いあたりをきょろきょろと見回している鳥に斬りかかった。
しかし、斬りかかったものの体を覆う硬い鱗にはじかれてしまう。
思ったよりも硬かったため、一瞬その場で立ち停まってしまった。
私の一瞬の隙を相手は見逃すはずもなく、尻尾を薙ぎ払って攻撃してきた。
その攻撃をすぐさま、バックステップで回避し体勢を立て直した。
鳥は標的を再度確認したからか再度、奇声を上げこちらに向かって突進してきた。

戦闘を開始してから5分ほどたっただろうか。
何度か隙を窺い、斬りつけるが一向にダメージを与えられた気配がなかった。
途中から強化を使っているにも関わらずだ。
それどころか斬りつけていた剣そのものが先にダメになる始末―――ちなみに現在、使用している剣は5本目だったりする。
強化をしているため、強度に関してはなんら問題ないはずである。
それなのにダメージを与えられないとなると問題になって来るのは切れ味である。
ならばと思い、いったん鳥から距離をとり手元に刀を投影した。
投影したのは、彼の剣豪――佐々木小次郎が愛用した刀。物干し竿。
強度、切れ味ともに高いこの刀ならば確実に相手にダメージを与えられるだろうと思いこの刀を投影したのだ。
相手の懐に潜り込み刀で腹のあたりを斬りつけた。
ザクっという音とともに食い込んだ刀。
やはり、切れ味が原因だったかと思いながら刀を腹から勢いよく引き抜いた。
途端、噴き上がるのは赤い血飛沫。
致命傷には至っていないかもしれないが十分にダメージを与える事に成功しただろう。
そう思い鳥の方を見てみると予想とは違い、かなりご立腹な鳥がいた。
目つきはさっきまでとは違いかなり鋭くなり、口の中では何が起こっているのか知らないが炎の玉のよう
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