第6話:小学生卒業
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ね。お疲れ様。」と俺に笑顔を向けてくれた。俺も「分かってくれてありがとう。響もスクールでの成果を期待してるぞ。」と言葉を返した。響は目を瞑って、「ありがとう。でも、おそらく時間はかかるわね。だって、おまじないをしてくれる人がいないんだから。」と後ろに手を組みながらつぶやいた。最後の方はもう声が小さくて聞こえなかった。何だって?、と聞き返しても、何でもないわ、と笑顔を見せて俺に背を向けてプールの中に入った。その笑顔はいつもの微笑とは違った。いつもの微笑には、目尻が何かに光を映すようなものが見えたりしないのだから。
一番驚いて困惑していたのは逢だったな。取り乱して、「拓お兄ちゃんがいなかったら、わたし何もできないよっ!」と駄々っ子のような言い草で俺の身体に抱きついてきたな。あのとき、腹筋周りにふにっ、という二つの微小な柔らかい感触を感じたな・・・、って違う違う、俺はロリコンじゃない。外部が、「もうあきらめろよ、お前がロリコンなのは周知のことだぜ?」「著者が先日友人にこの小説読まれてロリコン乙、って言われてたぜ?w」とか言ってるような気がするが全然気にしない。何を言っても逢は「やだやだ、辞めちゃイヤ!」と首を大きく横に振るだけだった。逢の少し長くなった、原作の七咲逢に近い髪が首を振るたびに当たり、くすぐったさを俺にもたらした。
「逢。」
「やだやだ、私許さない!辞めたら、わたしお兄ちゃんのこと嫌いになる!」
これ何てエロゲ?という変な考えが浮かんだけど、直ぐに思考を元に戻す。嫌われるのはイヤだなぁ、とか思いながら次の言葉を紡ぐことにした。
「いいから、聞きなさい。」
「ヤダ!」
「逢!!」
「っ!」
俺は聞き分けのない子どもに対して叱るように、語気を強めて逢に言った。俺は基本怒らない人間で、このように語気を強めた俺の顔はスクールでは始めて見せた顔だったかもしれない。逢は語気を強くした俺を見て、びくっと身体が跳ねた。それから徐々に大人しくなる。それでも抱きつくために使った腕を戻そうとはしなかった。
「逢、郁夫君も生まれて君はもうお姉ちゃんだろ?だったら、そろそろ俺を卒業して立派なお姉ちゃんができるようにしないといけないよ。いつまでも俺に頼ったり甘えてばかりしていたら、郁夫君が大きくなった時にお姉ちゃん甘えてばかり、って言われるようになっちゃうよ?それに、来年から逢も新しく入ってくる子を助けてあげなくちゃいけない。今の逢を見ていると、俺はちゃんとお姉ちゃんを出来るかどうか、どうしても心配なんだよ。頼むよ、分かってくれ、逢。」
「・・・うん、分かった。」
しぶしぶ、と言った感じであったが、逢は俺から腕を離した。俺は、分かってくれたことにほっとした。
「・・・ごめんなさい。わたしのこと
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