第5話:泳ぎの中にドラマがある
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よ。」
「ッ、ほんと?」
「本当だよ、ほら目ェ瞑れよ」
やれやれ、いつもは仕切りたがりのお姉ちゃんなのに、何か良く分からないとこがあるんだよな。でも、こういう駄々っ子という子どもっぽい面もあるんだよね。やれやれ、そういうところは可愛いんだけどな。
先ほどの逢と同様の行動を適用する。俺の唇が知子の綺麗なおでこに触れる。触れた瞬間、知子の身体が一瞬震えた気がした。数秒の後、俺は知子のおでこから唇を離す。知子の顔を見る。頬の赤みが先程よりも濃くなった印象がある、視線が俺を捉えられなくなっているようだ。・・・おいお前、次・・・レースだよ・・・な?
「知子?」
「っ!こ、これでベスト間違い無しよね!?じゃあ行ってくるわよ、ベストじゃなかったら酷いんだからね?」
ベストじゃなかったら俺のせいになるのかよっ!と心のなかで叫ぶ。知子は、そのままレース用の水着とゴーグルを持って召集場所へ向かった。表情は読めなかったが、足取りは軽やかで機嫌はよさそうな気がした。結果、知子の泳ぎは男子顔負けの泳ぎで大きく記録を伸ばした。まぁ、俺はいい事したのかな。
知子のレースが終わった後、俺は荷物の置いてある場所に戻った。カセットテープ別のに変えるか、そうだなド◎カムにしよう。前世でも良く聞いたし、「何度◎も」はレースのたびに聞いていたし。目的のカセットテープをナップサックから取り出した。突如、頭上から声を掛けられる。
「拓君」
「おわ!?」
ビックリして、カセットテープが手から発射され、垂直方向に撃ちあがる。打ち上げカセットテープは、一人の女の子の手にすっぽり収まった。
「どうしたのかしら、そんなに慌てて。」
「頭上から声を掛けられたらびっくりもするわ。」
響である。いつものように微笑を顔に浮かべて、無事着陸できたド◎カム入りカセットテープを差し出した。俺はそれを礼を言って受け取り、カセットテープの中身を入れ替えを行う。
「ねえ、拓君。」
「ん?」
響の問いかけに、俺は反応する。
「・・・私にもおでこにキスをしてくれないかしら。」
・・・流行っているのか?俺のデコチュー。しかも、響が、だぜ?
「・・・一応聞く。何でだ?」
「レースで良い結果を出したいの。私一人だけじゃ何か足りない気がするの。そのために拓君の・・・その、力が助けになるかもしれない。そう、何となく思ったのよ。」
・・・つまり、メンタル的な部分で俺という支えが欲しい、と?
「でもなぁ、おr・・・」
「知子にはしたのに私には出来ないのかしら?」
見てたのかよ!もう少し周囲の視線やら何かに敏感になっていればよかった。・・・そう言われると、断る理由が
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