第5話:泳ぎの中にドラマがある
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選手たちが各々スタート台に上がる、静寂が周囲を包む。
『用意・・・』
ピッ!
レースが始まった!スタートは・・・順調!次は浮き上がりだが、これもクリアだ。泳ぎもいつものダッシュ練習と同じ、前半から飛ばせている。他の選手に身体半分先んじている。そろそろ折り返し、残り25mだ。周囲の選手が追い上げてくる、周囲は後半型か。しかし、逢もまだまだ粘っている。さすがの負けず嫌いだ!残り10m!泳者たちはほぼ横一線になりつつある!残り5m、4、3、2、…どうだ!
俺達は電光掲示板を見る。
「3 七咲 逢 スイム輝日南 2 34.3 」
・・・あれ?最後は4コースの選手に負けたけど、早くね?短水のベストよりも早いぞ?うん、凄いじゃないか。よぉし、今度は俺の番かな?頑張ってくるか!逢がプールから上がって知子や響に眩いばかりの笑顔を振りまいているのを横目に俺も自分の招集を待った。
俺の半フリ(50m自由形の略)は大きなベストの更新ではなかったが、満足できる結果であった。中学、死ぬ気で頑張れば全国大会も出場できるかもしれないぞ!ふぃー、これで当分レースも無いから応援に精を出すか。お?知子、次半バタ(50mバタフライの略称)だろ?どうした、難しい顔をして。頬も赤みがかっているし。
「た、たっくん、あのね。」
「おう」
何かお願いでもあるのか?いいぜ、今ベストが出て凄く機嫌なんだ。さぁ、この愛玩動物・遠野拓に何なりと申し付けるが良い!!ジュースか?食い物か?マッサージか?
「あ、あああ、あたしにも、えと、あの、その、・・・」
「おいおい、落ち着けよ。」
アワアワし出す知子を落ち着かせようと俺も穏やかな声を掛ける。レース前に慌ててどうするよ。なんだ、トイレか?んなわけ、ないわな。
「どうした?俺に出来ることなら何でもするぞ?」
「ほ・・・ほんと?」
「俺は自分の発言には責任を持つぞ?」
「よ・・・よし、じゃあ、あたしにもおでこにチューして!」
おう、まかせろ!・・・って、ええええええええええええ!!!何言ってやがるんですか、この子は!
「だ、駄目なの?」
「い、いや、でも、なんで?」
「な、なんだっていいじゃない!逢ちゃんの大ベストが出たんだから、その、そう!ゲンかつぎ!ゲンかつぎよ!」
明らかに今考えた理由っぽいが、・・・してほしい、っていうことは目を見りゃあ分かるわな。はぁ、コイツはやらないと、頬を膨らませて機嫌悪くなるし・・・。今回りに誰もいないし、問題は外部の声くらいだな。ロリコンやら社会の敵とか、もう12年も言われていれば慣れたわ。
「分かったよ、やる
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