第5話:泳ぎの中にドラマがある
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50m自由形が最初で、次いで俺の50m自由形。その後、知子の50mバタフライに響の50m背泳ぎ。時間を置いて、響の100m個人メドレー、知子の100mバタフライ。そして七咲の100m自由形に俺の100m自由形。・・・最初にレースでこれじゃあ、スクール内の記録会で測ったタイムとは大分かけ離れた酷いものになるだろうな・・・。しかもこれじゃウォーミングアップにいけねぇし・・・
こうなったらヤケだ!前世でプレイしたゲームの中で学習した妹キャラに有効であろう手法を実行してやる!
「逢。少し目を瞑ってろ。」
「ハ、ハイ。トオルオニーチャン。」
片言語を喋って逢は目を瞑る。俺は右手で逢の額に掛かってる髪を書き上げ、そのおでこに・・・
デコチューした。
そう、俺は「キミキス」という紳士育成ゲームの中の相原光一という主人公が妹に取った方法を、俺は逢に適用したのである。他に方法は無かったのかこの変態、だと?通常の方法は考え付く限りやってみたさ、前世における経験則からコーチングスキルの実践まで全てな。結果あれだったから、もう非常識で攻めるしかないだろ?だから変態紳士という非常識を採用したのさ。前世でやってたら間違いなく、頭髪が禿げ散らしになるまで牢獄に突っ込まれたであろう。
逢は顔を真っ赤にして、俺の方を見ていた。言葉を出そうとしているが何て言えばいいのか、という表情を浮かべている。数秒がたつと、視線が泳ぎっぱなしだ。そんなに慌てなさんな。俺もいつ警察や周囲の大人に捕まえられないか、とマジでパニクル5秒前なんだよ。たとえ今の俺が小学生であって、社会人として道徳的にやばかったことくらい認識しているさ。
「逢、落ち着け。」
と俺はアワアワしている逢に対して穏やかな声を掛けた。カチコチになったり慌しくなったり忙しいやっちゃな〜。でもカチコチで話しかけても生返事ばかりのフリーズ状態よりかは、反応してくれるだけ前進したな。逢の視線が俺の顔を見つめる、視線の揺らぎは無くなったようだ。
「よし、固さは取れたな。いいか、これは俺流のおまじないだ。逢が最高の泳ぎが出来るための、な。いいか、あとは落ち着くだけだ。ゆっくり、息を吸って吐くんだ。・・・よし。頭に意識が行くかもしれないがそれでいい。ああ、意識しすぎて赤くならなくてもいい。その位置を水面に合わせてように思って泳げ。それが、お前のベストの泳ぎに繋がるはずだ。」
「う、うん。」
「分かったら着替えてアップに行ってこい。ブイをここに忘れていくなよ。」
「うん!」
一か八かだったが巧くいったのかな?逢は頬が赤いのを別とすれば、いつもの笑顔ができるようにな
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