第2話:アマガミは人生
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解!助けてよ、ミ○トさん!
こら!ロリコン乙、とか言うな!
これは父性から生じた感情だっての!
しかし、七咲のあどけない笑顔を見て、こうも思ったな。
この世界が例え夢でも、俺の目の前にいるゲームのキャラクターかもしれない
女の子のこの行動がパターン化されたプログラムの産物だとしても、
人間として感情を表し、動く七咲をそんなプログラムとしては扱えない。
そうなんだ、俺に動いている世界や人間をただの作成物だと判断する能力や
知識は何処にも無い。思い込みでこの世界にいては、この子のみならず、
今の俺の両親や知子、響にだって迷惑を掛け、傷つけてしまう。
そうだ、ここがいつか去る世界だとしても、俺はここを去るまでに
この世界を第二の人生だと思って生き抜こう。
最後はプログラムのバグとして消去されたり、前世の自分が覚醒するかもしれないが、
それまでは頑張ってみよう。
「こちらこそ、よろしく。七咲さん。」
俺はそう言い、まだ水に濡れていない七咲の頭を撫でた。
年少者の純粋なあどけなさに対する父性、を持って。
そんな俺を横の響と少し離れて練習に向かっている知子が見ている。
・・・おい、知子。何で少し膨れっ面なんだよ、お前は。
掴んでいるビート板を齧るな、何年生になったんだよ。
「別にぃ〜」
世話焼きな俺の同級生は、俺達に背中を向けて、手に持っていた
キャップを頭に被ってゴーグルを着用し、スタート台からプールに飛び込んだ。
最近学んでいる競泳のスタートの飛び込みを真似た姿勢で、である。
知子の身体は、水面と平行に保ちながら放物線を描いた重力運動を行い、
水面へと落下した。パァン、という渇いた音と水しぶきを飛ばして。
「腹打ち」した知子は、お腹を擦りながら「いてて」と言って、こっちを向いた。
やれやれ、慣れない事をするから。俺は、軽く息を吐いた。
「七咲さん、プールや学校では落ち着いて行動しよう。」
「そうね。」
さて、こうして俺と響は七咲逢の担当になった訳であるが、
担当とは何ぞや、という疑問に対して答えていこう。
このスイミングスクールでは、
プールでの泳ぎに関してはコーチ(選手を育てる大人)や先生(泳げるようにする大人)が担当することになっているが、
それ以外のメンタル面や一般生活などは、同年代の子どもがサポートするようになっている。
これは、年上の人が年少者に対してお兄さんやお姉さんを責任を持ってできるように教育するシステムである。
水泳は、突き詰めれば自分の現在の記録と勝負することが本質の競技である。
そのため、自分の泳ぎ方、精神状態、肉体の様子などが勝負の要であり、これを改善するには
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